「ジャスティス」岡田正義が語る審判論【1】今季、VARがあればレフェリーが救われていたケースはいくつもある

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日本初のプロ審判としてJリーグやW杯などの舞台で笛を吹き、サッカーファンから「ジャスティス」の愛称で親しまれた元国際主審の岡田正義氏。
昨今、たびたび議論になるレフェリーという存在を、プロ主審の第一人者はどう見ているのか?
誤審問題や判定基準の変更、VARの導入などについて解説いただきながら、レフェリーを取り巻く環境や未来についても語ってもらった。



■浦和レッズ対湘南ベルマーレの誤審はどうすれば防げたか?

――近年、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)制度やゴールラインテクノロジーなど、判定をサポートするシステムが導入され、レフェリーを取り巻く状況は著しく変化しています。まず、これらについて岡田正義さんがどのように感じているのか、率直なところを聞かせてください。
「私が現役の頃、シグナルビープの機器(副審のフラッグのボタンを押すと主審の腕に巻いた装置が振動する)があった程度でした。その後、インカムによるコミュニケーションシステムが入り、さらにVARと的確な判定をするために変わってきています。自分は早い時期に辞めてよかったなという気持ちも多少ありますね」

――変化に対応していくレフェリーの負担は小さくないでしょう。
「さまざまな種類の映像が入ってきて、またtotoを含めて国内外で大きなお金が動く時代になっています。そこではとにかく判定の的確性が求められる。もともとサッカーは審判がいなかったスポーツで、互いにジャッジしてゲームを進めていたんですよ。競技規則には、レフェリーにも間違いがあるという趣旨のことが明文化されています。判定のミスもまたサッカーの一部だと見られていたのが、それでは収まらない風潮になってきた」

――日本においては、社会から寛容さが失われていることも助長しているかもしれません。
「そうですね。本来、サッカーというスポーツは伸びやかな面を持ち、ぎちぎちに正解を追求する以外の部分もあっていいのかなと感じるんですが。どこまでを追求していくかは難しいところです」

――とはいえ、俯瞰の視点を与えてくれるVARはレフェリーの仕事に大きな助けとなるのでは?
「反対の声も聞かれますが、私は賛成派です。今季、VARがあればレフェリーが救われていたケースはいくつもある。たとえば、(5月17日、J1第12節の)浦和レッズ対湘南ベルマーレ。湘南のゴールが認められなかったゲームですね。(7月13日、J1第19節の)横浜F・マリノスと浦和のオフサイドが問題となった件もそう。いずれもVARがあれば一目瞭然でした」

――湘南・杉岡大暉選手のシュートが右ポストを叩き、反対側のサイドネットにはね返ってゴールの外に。試合前、審判員はネットに問題がないか点検しますが、あのときは張りすぎていたんでしょうか?
「ゴール脇のペットボトルには接触してないんです。ポストに当たってボールが激しく回転し、ネットに遊びがなかったのも影響しました。私もあんなシーンを見たのは初めて。ただ、両チームの選手の反応を見ればゴールは明らかだったと思います。レフェリーだけがわかっていなかった」

――山本雄大主審は副審2とインカムで交信し、「入っていない」という情報を得た。自分の眼でゴールを確信できなかった場合、それが判断の拠りどころになるのは仕方のない面も。
「そうなんですけど、状況を見て、いったんゲームを止める判断があってもよかった。彼も違和感は間違いなくあったと思います。もうひとりの副審1の意見も材料に加え、パズルを組み合わせるように最終判断を下す方法もあったでしょう。あのケースは副審2とふたりだけの見解で最後まで通してしまったので」

――こういった際、大型ビジョンの映像を参考にするのはご法度なんですよね。
「それは絶対にできません。見てはいけない決まりです。ゴールラインテクノロジーの導入を期待したいところですが、あれは設備を整えるのに多額の費用がかかると聞いています」



■VARの有無によって、副審はオフサイドの旗の上げ方が変わる

――今季、ルヴァンカップ準々決勝以降などでVARが使用され、いずれJリーグに本格導入されると見られています(※9月24日、Jリーグ理事会は来季からJ1全試合など公式戦321試合に導入すると発表した)。観戦者が知識として持っていたほうがよいことを教えてください。


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