
【田村修一の視点】2025年11月29日 J2リーグ第38節 ジェフユナイテッド千葉vsFC今治
J2リーグ第38節 千葉5(2-0)0 今治
14:04キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数 19,103人
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試合後、千葉の小林慶行監督はこう言い切った。
「この3年間に積み上げてきたことにまったく何の悔いもない。もし同じ場面で決断を迫られたら、同じ選択をするだろう」
今治戦は、優勝と自動昇格の行方が決まるという試合——千葉の運命が決まる試合——であると同時に、3年間千葉を率いてきた小林とチームにとって集大成ともいえる試合だった。5対0という結果と内容は、彼らがここまで積み重ねてきたものを端的に表していた。それだけの誇れるものを、彼らはこれまでサポーターたちに見せてきた。
だが、それでも、J2優勝には勝ち点1届かなかった。J1自動昇格も、同じ勝ち点差を埋められなかった。サッカーの勝負はディテールで決まる。また運が関わる部分も大きい。ディテールを詰め切れずに勝ち点を失った試合、運がなく敗れた試合、特に前者に関しては、それぞれの試合に悔いが残っているだろう。
3位で迎えるプレーオフは、成績上位のアドバンテージがあるとはいえ、簡単な戦いではない。過去に6度プレーオフで敗れているというトラウマもある。そこでいかにディテールを詰め、運を自分たちに引き寄せるか。一週間後の大宮戦と、その先の決勝に向けて、もう一度チームを構築しなおし、気持ちも作り上げる。小林と千葉の、最後の戦いである。
一方、敗れた今治は、スタジアムの雰囲気と千葉の迫力に完全に圧倒された。先制点(11分、カルリニョス・ジュニオのPK)を決められた後、受け身になった千葉に対して攻勢に出たのが唯一の反撃の機会だったが、そこでFKから鈴木大輔(31分)に追加点を挙げられて万事休した。
ただ、J2初のシーズンで、降格を避けられたのは大きな成果。来季に向けて、着実な足取りを踏み出せたといえるだろう。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。


