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【森雅史の視点】2025年5月25日 J1リーグ第18節 東京ヴェルディvs京都サンガF.C.

J1リーグ第18節 東京V 1(0-0)0 京都
15:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数 13,252人
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今シーズンのJ1リーグ、第1節から第9節の1試合平均FK数は25。だがこの試合は35回あった。それくらい激しい試合だった。

 

城福浩監督は京都の特長と対策をこう分析していた。

 

「(京都の)インテンシティの高さは、もちろん、チョウ・キジェ監督は、球際の強さをすごく選手に要求していると思うんです。そこから奪って、前にタレントがいるので、最短でゴールに向かうっていう意思統一をされてきていると思います。ポイントはコンパクトに京都さんが保ってるからこそ、中盤のインテンシティが成り立っていた。我々は、そのコンパクトに保とうとする相手にどういうサッカーをするかということと、中盤のインテンシティで負けないということです」

 

前半はともに中盤の潰し合いに終始したと言えるだろう。だが後半、京都は67分に平戸太貴が退場になり、76分に投入したラファエル・エリアスが88分に負傷交代するという2つの想定外の事態に一気に苦しさを増した。

 

チョウ監督はそれでもカウンターで点を取りに行くべく、4-4-1にしながらも東京Vへのプレッシャーを欠かさなかった。だが、東京Vは90+4分、CKのこぼれ球を新井悠太がレーザーショットで突き刺して、この最後まで厳しかった戦いを制した。

 

この試合の見所の一つは両監督の采配だったことは間違いない。チョウ監督が先に動き、すぐに退場者が出る。城福監督がすぐに仕掛け、そこを一度受けてチョウ監督はFWを代えた。しかしすぐに交代したFWがプレーできなくなり、最後のカードを切る。すかさず城福監督が勝負を仕掛け、相手が1人少ないからと残しておいた新井が決勝点を取った。この流れを辿りながらもう一度見ると、さらに面白さが増すだろう。

 

 

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート