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【森雅史の視点】2023年10月22日 J2リーグ第39節 東京ヴェルディvsジェフユナイテッド千葉

J2リーグ第39節 東京V 3(0-2)2 千葉
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数13,144人
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両監督の意地の張り合いが劇的なゲームを生んだ。

前半、東京Vは千葉の素早い出足になかなか落ち着けなかった。その隙に千葉はドゥドゥのミドルシュート2本で2-0とリードする。それでも東京Vの城福浩監督は前半の千葉のシュートが2本だったことを踏まえ、戦術を変更しなかった。

すると55分、千葉がPKを獲得して試合は大勢が決まるかと思われた。ところがGKマテウスが劇的なセーブを見せて追加点を許さない。そのまま一進一退の攻防が続く中、79分、右からのクロスに長谷川竜也がスッとDFの前に入り込みヘディングシュート。これが決まって東京Vの追い上げムードが高まった。だが千葉の小林慶行監督はあえて守りに入ろうとしなかった。

90分、長谷川が左足ボレーで逆サイドにロブを送る。そこに染野唯月が体ごと飛び込み同点に。そして90+2分、中原輝がゴール前に入れた低いライナー性のパスがそのまま千葉ゴールに飛び込みついに逆転。城福監督は途中出場し1ゴール1アシストを決めた長谷川を交代させ守備を固める策を採って、このリードを守り切った。

1点を返したあと、スタジアム中で手を振って東京Vを後押しする光景が見られた。その力も大きかったはずだ。これで東京Vはプレーオフ出場以上の順位を確定させた。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート