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【森雅史の視点】2023年10月20日 J1リーグ第30節 川崎フロンターレvsアビスパ福岡

J1リーグ第30節 川崎F 4(1-1)2 福岡
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数19,026人
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83分までは福岡のゲームだった。20分、瀬川祐輔がGKの弾いたボールを蹴り込んで川崎が先制したものの、24分にはドウグラス・グローリがFKをGKが弾いたところを押し込んで同点に。さらに66分、山岸祐也が自らのヘディングシュートが防がれたボールを蹴り込んでついにリードを奪う。守備ではスペースを埋めて穴を作らず、攻撃では判断力早くパスをつないで川崎に付けいる隙を与えなかった。

沈滞ムードが漂う川崎を変えたのは、小林悠だった。78分に投入されるとすぐに鋭い動きを見せて攻撃を活性化する。84分、山村和也のロングパス一本に抜け出すと、バランスを崩しながらも同点ゴールを流し込んだ。

この得点で一気に雰囲気は変わった。福岡は距離感がバラバラになり、次第に空白地帯が生まれるようになる。そして90+2分、小林のクロスをバフェティンビ・ゴミスが落として遠野大弥が逆転弾。さらには90+6分、ゴミスがDFとの競り合いに勝って独走し、ゴール前を横切るパス。これを詰めていた宮代大聖がプッシュして、試合を決定付けた。

小林のベテランらしい勝負所を読む力が、逆転劇を生んだと言えるだろう。36歳、まだまだ衰えは見られない。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート