【森雅史の視点】2023年9月23日 J1リーグ第28節 FC東京vsサガン鳥栖
J1リーグ第28節 FC東京 3(0-2)2 鳥栖
15:04キックオフ 味の素スタジアム 入場者数20,303人
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前半を見ただけでは想像できないオチが待っていた。
前半は鳥栖の一方的なペース。中央をロブで割って先制点を挙げ、左サイドからのクロスでPKを誘った。対するFC東京はなすすべなくボールを失うだけ。2点差で終わったが、このままなら鳥栖は何点奪うのだろうと思うような展開だった。
ところが後半、FC東京が中盤へのプレッシャーを強めてペースを握り返す。54分にアダイウトンが1点を返すとすっかりFC東京のペースに。鳥栖は上がってしまった試合のペースを落とすことができず、そのままFC東京の時間が最後まで続いた。ケガからの復帰戦となったバングーナガンデ佳史扶のクロスが得点に結びついたら、途中投入された俵積田晃太が決勝点を挙げたりと、FC東京は勝利以外に様々なドラマも付け加えてこの日を終えた。
試合後、残念だったことがある。Jリーグの規定ではベンチ入りしたメンバーは全員報道陣の前を通ることになっている。だが、鳥栖の選手は飛行機の時間があるからか、主力選手でも直接バスに乗り込んでしまった。確かに悔しい試合ではあっただろうが、前半の戦いぶりは胸を張れるものだった。あとはこれを90分続けられるか。その過程にあると考えるのなら下を向く必要はないし、ちゃんと試合の感想を語ってほしかった。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート