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【森雅史の視点】2021年9月12日 J1リーグ第28節 FC東京vs柏レイソル

J1リーグ第28節 FC東京 0(0ー1)1 柏レイソル
19:04キックオフ 味の素スタジアム 入場者数4,987人
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試合は9分、カウンターから抜け出した細谷真大がGKまでかわして挙げたゴールが決勝点になった。

ところでこの試合ではオフサイドに関する興味深いシーンがあった。56分、FC東京のスルーパスを柏の選手がスライディングして防ぐ。そのボールをオフサイドポジションにいたFC東京の選手が拾うと、オフサイドの判定となった。

だが、ルール上では柏の選手が自分からボールのほうに動いて意図的にプレーしたため、この時点でオフサイドはなくなるはず。したがってこの場面はそのままプレーさせるべきだったと言えるだろう。たぶん副審からは遠いサイドで見えにくかったため、柏の選手が能動的にプレーしたのかどうか分からず、旗を上げたのだと思われる。

ただし、ルールではオンサイドだが、こういう場面は運用上、オフサイドにしたほうがいいのではないか。

DFとしては自分の背後にいる選手がオフサイドだと思ったとしても、万が一のことを考えてスルーパスをインターセプトしに行く。そのこぼれ球にオフサイドがないとすれば、DFはオフサイドだと思えばカットに行かないほうがいいということになるが、リスク管理を常とするポジションの選手にそんなことはできるだろうか。しかもVARが入るとオフサイドディレイで旗が揚がるまでに時間がかかる。もしDFがFWはオフサイドポジションだと思ってプレーを止めても、その後しばらくプレーが続き、まるでDFは無気力プレーだったように映るだろう。

DFが頑張ってカットに行き、不幸にも相手FWのほうにこぼれたが、FWはオフサイドポジションで待ち受けていたのでオフサイドになる。そうすればDFとしても限界のプレーを見せられるし、FWとしてはオフサイドポジションにいたのだから反則を取られても納得できるはず。そうジャッジしたほうが、見ているほうもわかりやすいのではないかと思う。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート