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【森雅史の視点】2023年3月18日 J1リーグ第5節 横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ

J1リーグ第5節 横浜FM 2(0-0)1 鹿島
14:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数 28,478人
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前半は単純なミスが少ない好試合だった。だが後半に入り、鹿島が単純な右からのクロスをゴール上に蹴ったり、シュートを大きく吹かしてしまうなど少しずつ歯車が狂い始める。そんな56分、左から右に流れてきたボールに松原健が合わせると、ボールはうなりを上げて鹿島ゴールに突き刺さる。さらに62分、鹿島はクロスボールをゴールキックに逃れようとしてミスが生まれ、横浜FMはオウンゴールをプレゼントしてもらった。それでも鹿島は68分、右からのクロスに鈴木優磨が飛び込んで1点差に迫るが、最後はディエゴ・ビトゥカが退場になって反撃ムードを削ぐ形になってしまった。

高いインテンシティと激しいチャージは、Jリーグ発足以来降格したことのない名門同士の対決にふさわしいものだった。加えて、ぶつかり合っても最後はタッチして終わる姿、審判に抗議しても説明を受けるとすぐに引き下がる態度は、見るものに清々しさを感じさせたのではないだろうか。気温9度で雨が降る悪天候だったが、スタジアムに来た人たちは両チームの戦いにふさわしい熱い勝負を見ることができたはずだ。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート