【森雅史の視点】2022年3月18日 J1リーグ 第5節 横浜F・マリノスvsサガン鳥栖
J1リーグ第5節 横浜F・マリノス 0(0-0)0 サガン鳥栖
19:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数6,689人
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ピッチ上に水たまりが次々と出来てボールが止まる。パスサッカーを指向する両チームの良さは出なかった。こういうコンディションではゴールが生まれるのには幸運が必要になる。そしてその幸運は、降りしきる雨、低い気温、ぬかるみなどの様々な集中力を削ぐ要因をはね返したほうに転がるものだ。その意味ではともに大きな失敗は少なく、そのため無得点引き分けになったと言ってもいいだろう。
ではこのゲームがサッカーとしてつまらなかったかというと、そうではない。平凡なパスさえバウンドが変わると決定的な場面を生んでしまうということを考えると、見ているほうは普段以上に個々のプレーを中止しなければいけなかったはずだ。その緊張感に満ちた空気はスタジアムにあった。だから生観戦した価値はあったのではないか。もっともすべての客席が屋根で覆われているのに越したことはない。これまで数多くの名勝負を生んできたニッパツ三ツ沢球技場だからこそ、検討が続いている屋根問題を解決してほしいと願う。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート