【森雅史の視点】2022年6月22日 天皇杯3回戦 川崎フロンターレvs東京ヴェルディ
天皇杯3回戦 川崎フロンターレ0(0-1)1 東京ヴェルディ
19:00キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数7,534人
試合データリンクはこちら
終始東京ヴェルディのペースだった。そして川崎フロンターレにはリーグ戦前節でコンサドーレ札幌を逆転したパワーは残っていなかった。
東京Vは39分、ショートカウンターから佐藤凌我がミドルシートを叩き込んだ。だが決して偶然生まれたゴールではない。立ち上がりから東京Vは積極的に川崎を追い回し、ボールを奪っては高い個人技を生かして翻弄すると虎視眈々とチャンスを狙った。その結果としてゴールが生まれたと言えるだろう。
後半立ち上がりから川崎Fは積極的な選手交代で活性化を図ろうとする。東京Vは前半のインテンシティの高さから運動量が落ちそうになるが、こちらも次々に選手交代し、ブロックを敷いて待ち構えることで45分間を耐えきった。戦略としては見事だったが、本当は川崎Fも同じことを狙っていたのではないだろうか。素早く先制点を奪って選手を休ませたり、出場機会の少ない選手がどこまでできるか試したかったはずだ。だが、結果的には多くの選手を使って疲労を蓄積することになってしまった。
川崎Fが圧倒的な力を誇ったのは去年までのことだというのがこの一戦でも明らかになったと言えるだろう。だが、ACL、天皇杯と敗退したことで日程は少し楽になる。そのぶんリーグ戦に集中できることは、川崎の3連覇を後押しするかもしれないし、この際、東京Vの選手を狙うというのも面白い手かもしれない。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート