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【森雅史の視点】2022年2月19日 J1リーグ第1節 横浜F・マリノスvsセレッソ大阪

J1リーグ第1節 横浜F・マリノス 2(0-1)2 セレッソ大阪
14:04キックオフ 日産スタジアム 入場者数13,737人
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両チームとも長所と短所が如実に出た試合になった。

横浜FMはペナルティアーク付近で細かくボールをつなぎ、相手を翻弄した。個々の技術の高さと戦術の組み合わせがマッチしている。2ゴールとも相手のミス絡みとは言え、押し込み続けた中で生まれた得点は偶然とばかりは言えない。

C大阪は個人のプレーを前面に出して横浜FMを翻弄した。乾貴士の調子が戻り、ミスが少なく意表をついたプレーが大きなアクセントになっていた。いかにもC大阪らしい自由奔放さを象徴していたとも言える。加えて2ゴールともヘディングというC大阪らしくない武器も手に入れたと言えるだろう。

一方で横浜FMは2失点ともセットプレーから与えてしまったのは、チアゴ・マルチンスの穴がまだ埋まっていないことを伺わせた。また、最後の交代の後にゴールを奪われたのは、どう逃げ切るのかというイメージが共有できていなかったのではないだろうか。

C大阪は中盤での守備が甘く、そのぶん守備に負担がかかっている。マークしている相手との距離が広く、コースを切っているようでもパスを通される。また、後半になると急激に活動量が落ちて相手に主導権を奪われてしまった。

そう考えるとお互いに勝点1を獲得できたのは必然でもあった。また改善すべき問題点はハッキリしたと言える試合だった。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート