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【森雅史の視点】2022年3月6日 J1リーグ第3節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス

J1リーグ第3節 横浜F・マリノス 2(2-0)0 清水エスパルス
14:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数14,752人
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立ち上がりの清水は面白かった。ボールを持つと必ず前を向く。相手がマークに来ていてもかわして前に出る。守備ラインから高い位置の両サイドにボールを供給して縦に抜く。あとは前線にもう少し人数を掛けられるか、あるいは飛道具のようなプレーの選手がいれば、と思わせる内容だった。

だが、同時に脆さもあった。32分、中盤が守備ラインに吸収されたところで小池龍太にミドルシュートを決められた。43分には味方トラップミスからクリアボールを引っかけられてゴールを割られた。結局試合は2-0で横浜FMの勝利。「勝負のツボ」を知ったホームチームに一日の長があったと言えるだろう。

ところで、この試合では書き残しておきたいことがある。前後半に1回ずつ、横浜FMがゴールを割ったがVARが介入して取り消された場面があった。このレフェリーのチェックが行われている間、両チームの選手は監督と距離を取って判定が下されるのを待っていた。

ややもすると主審に多くの選手が詰め寄るようなシーンだったし、そうすることでスタジアムの温度は必要以上に上がってしまっただろう。だが、横浜FMも清水も待つことでレフェリーへのリスペクトを表現していた。無言であることでサッカーの美しさを守った両チームは、称賛されてしかるべきだと思う。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート