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【森雅史の視点】2021年12月4日J1リーグ第38節 横浜F・マリノス vs 川崎フロンターレ

J1リーグ第38節 横浜F・マリノス 1(0ー0)1 川崎フロンターレ
14:02キックオフ 日産スタジアム 入場者数30,657人
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今年のJ1リーグ最終節、横浜FMvs川崎の試合は、神奈川ダービー、1位2位対決、得点王争いと様々な要素を含んだカードだった。観客の期待は膨らんでいただろうし、その熱い思いに応えられる、あるいはそれ以上の戦いだったと言えるだろう。

両チームのゴールも素晴らしかった。67分、レアンドロ・ダミアンが上半身の捻りでふわりとしたボールを地面に叩きつける技有りのゴールを決めると、74分、前田大然がゴール前に流れてきたボールをダイレクトで合わせて同点に追いつく。その後もお互いに豪華なメンバーをふんだんに使いながら攻め合った。結局1-1の引き分けで終わり、得点王には2人が輝く。

忘れてならないのは両チームとも今季途中でアクシデントに見舞われたことだ。横浜FMは6月にチームの礎を作ったアンジェ・ポステコグルー監督が退任した。川崎はチームの主力だった田中碧が6月、三笘薫が8月に移籍した。どちらもチームが崩れてもいいほどの大きな影響があったが、それでも方針を変えずに乗りきった、そして上位をキープしたことは、今年の成績に付記しなければいけないことだろう。

最後のJ1の試合を締めくくるのにふさわしい、そして引退する家本政明主審にも花を添える試合美しいゲームだった。この試合には、これ以外の結末はふさわしくなかった。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート