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【森雅史の視点】2021年3月7日J1リーグ第2節 横浜F・マリノスvsサンフレッチェ広島

J1リーグ第2節 横浜F・マリノス 3(1ー3)3 サンフレッチェ広島
13:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数4,906人
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3-3という激闘となったこのゲームではVARが介入してPKになった場面があった。そこで運用について気になった細かい事例がある。

広島に2度目のPKが与えられたシーンは、疑わしい動作が会った後もプレーが続き、一区切りしたところで主審がVARと交信して試合を止め、オンフィールドレビューを行っていた。だがプレーが一区切りした場面では広島の選手のタックルに横浜FMの選手が足を痛めて倒れ込んでいた。

主審は定められたとおり耳に手を当て右手を前に突きだしてVARが介入していることを示して、その後ピッチ上のモニターに向かった。だが負傷者が出ているのなら、VARの確認の前に選手の負傷具合を確かめたほうがよい。そして必要に応じてすぐに医療スタッフをピッチに入れ、その後オンフィールドレビューを行ったほうがよかったのではないだろうか。

主審が負傷の具合を軽度と判断していた可能性もある。それでもどうせ流れを止めるのなら、そこで一度選手の具合を確認すれば周囲にも分かりやすいだろう。何よりも選手の体を大切にしているということを、ぜひわかりやすい形で示してほしいと思う事例だった。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート