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【森雅史の視点】2021年3月6日 J1リーグ第2節 FC東京vsセレッソ大阪

J1リーグ第2節 FC東京 3(0ー1)2 セレッソ大阪
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数4,768人
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効率よくゴールを挙げたFC東京が試合を引っ繰り返し劇的な勝利を収めた。もっともC大阪が自ら転んでしまったとも言える試合だった。

C大阪の守備が非常に効率的だったのは、前半の副審の旗に現れていた。VARが導入されているこの試合では、オフサイドの疑いがあるプレーでもチャンスになりそうならば旗を上げず、プレーが一区切りしたところで副審が旗を上げるなどしてVARが事実を確認する。ところが前半はそんなシーンが1つもなかった。FC東京の推進力のあるFWがボールを持ったときには必ずC大阪の選手が2人、3人と襲いかかり、突破を許さなかった。先制点を挙げ、ミスから同点にされてもすぐ突き放し、そのままの流れだったらC大阪が勝利を収めてもおかしくなかっただろう。

ところが後半、森重真人がアンカーの位置に入ってFC東京の中盤の守備が落ち着いてからは、次第にC大阪の足が止まり始める。そして72分、永井謙佑が投入されるとC大阪の守備が綻びはじめ、FC東京がチャンスを次々に作るようになった。ボランチの原川力は「間延びしてしまった」と攻撃陣と守備陣の意思統一がうまく出来なかったという。レヴィー・クルピ監督はこの乱れを「シーズンが始まったばかり」でコンビネーションが崩れたと語った。

これでC大阪は2試合連続の逆転負け。だがこの試合は流れの中から2得点を奪い、1失点は個人のミス、残りの2失点はセットプレーからだった。C大阪のチーム状態がよくないとは決して言えない試合だったと言えるだろう。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート