
【森雅史の視点】2025年8月13日 天皇杯ラウンド16 東京ヴェルディvs名古屋グランパス
天皇杯ラウンド16 東京V 1(1-1)2 名古屋
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数 7,666人
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勝利を収めた長谷川健太監督が記者会見で最初に口にしたのは飲水タイムのことだった。暑さ指数であるWBGTが25℃以上で両チーム事前合意の場合、飲水タイムを実施可能だが、この日は基準を満たしていなかった。しかし東京Vは中3日、名古屋は中2日。しかも次はともに中2日でアウェイゲームが控える。長谷川監督が選手の疲労を心配するのは当然だろう。
実際、この試合も疲労が大きくゲーム展開に関係した。もともと走力と瞬発力が全員に求められる東京Vは、後半に入るとドリブル突破が影を潜め、集中力を欠き始めた。決勝点となるPKを与えたシーンもふわりと揚がったボールに集中しすぎて相手選手の認識が疎かになり、結果的に相手を倒してしまっている。
もっとも名古屋も最後は足に痙攣を訴える選手が続出。その中で勝利を収めたのは「何がなんでもこの大会で勝ち残るんだという気持ちがヴェルディよりも若干勝った結果が最後はPKに繋がったと思います」という長谷川監督の意見も一部正しいだろう。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート