J論 by タグマ!

【森雅史の視点】2021年2月28日 J2リーグ第1節 東京ヴェルディvs愛媛FC

J2リーグ第1節 東京ヴェルディ3(2-0)0愛媛FC
15:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数3,411人
試合データリンクはこちら

 

前半アディショナルタイムに畳みかけて2点のリードを奪うと、後半にも加点して3-0と突き放す。リードした余裕もあってか、15歳の橋本陸斗を交代出場させた。

愛媛は中盤までしっかりした展開を見せるものの最後の突破に苦しんだ。そんな愛媛のミスにも助けられたとはいえ、東京Vの開幕初戦は実り多き試合だったと言えるだろう。

もっともその中で不思議だったのは、GKマテウスにボールが渡ったとき、ボールを前線に大きく蹴るという東京Vらしくないプレーが続いたこと。しかもそのボールを東京Vはなかなか自分たちのボールに出来なかった。

その理由を永井秀樹監督は「愛媛の守備の方法にある」と説明した。愛媛は4-4-2のシステムをとりながら、マテウスにボールが渡ると4-2-4の形になると分析し、その中盤のサイドを狙ってそこから繋ごうという意図だったという。その形からチャンスを作ることはなかったが、他にもクロスのロングボールを織り交ぜるという東京Vの姿を見ることはできた。

永井監督は試合を「満足できていない」としつつも「攻撃の形を多く作れた」と少しだけ笑顔を浮かべて振り返った。クラブは去年から今年にかけて経営面で混乱したが、そんな混沌とした中でも勝利を収められたことでチームは安堵したことだろう。

なお、この日デビューした橋本はJ2での最年少記録を更新。永井監督は橋本のプレーを振り返った後で、2020年までヴェルディジュニアユース橋本を育てた蓮見知弘・元監督、森勇介・元コーチらに感謝していた。

橋本陸斗
出場記録:15歳10ヶ月26日
生年月日:2005年4月2日
試合日:2021年2月28日

リーグ別最年少出場記録
J1:
森本貴幸 東京Vvs磐田 15歳10ヶ月06日 生年月日1988年05月07日 試合日2004年03月13日
J2:
菊池大介 湘南vs福岡 16歳02ヶ月25日 生年月日1991年04月12日 試合日2007年07月07日
J3:
久保建英 FC東京U-23vs長野 15歳05ヶ月01日 生年月日2001年06月04日 2016年11月05日

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート