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テーマいよいよW杯開幕! ……ところで、J2は普通にやっています

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博識の党首・大島和人

2014 06/03  17:55

育成目線で観る『J2のススメ』。これを楽しむのにサポである必要なし

いよいよW杯開幕までのカウントダウンが始まった昨今。世間の耳目がそこに集まるのは当然のことだろう。ただ、サッカーはW杯のみにあらず。J1は中断し、「夜はW杯を観るが、昼は観る試合がない」。そんな声も聞こえてきそうだが、ここは一つ下部リーグに足を運んでみるのはどうだろうか。今回の『J論』では、そんな下部リーグ観戦をエンジョイしている書き手をそろえてみている。2番手は、博識の党首・大島和人氏が"育成目線"から下部リーグを楽しむ秘訣を伝授する。


▼対象は個でも良く、チームでも良い
 人はなぜ、J2を観に行くのか――。

 考えてみると、その理由を探ったことすらない。そもそも、私が番記者として取材しているクラブはJ1(甲府)とJ3(町田)だから、J2に足を運んでも目先の仕事にはつながらない。ただ特定の個人、クラブでなく、日本サッカーという"森"を見ようとしたら、自然と足が向くことになる。僕に言わせれば、森を知らずして鳥や木々の魅力が分かるはずはない。まあ一言でいえば、「楽しいから」ということなのだけれども。

 そんな私にとって、W杯によるJ1の中断期は"美味しい"時間である。世界のトップをテレビ桟敷から堪能できるだけでなく、週末にJ1の公式戦がない分だけ、ほかのカテゴリーの賞味に時間を割けるからだ。

 W杯ブラジル大会が終了するまでの中断期間に、J2を計6試合見ようと決めている。

・5/31(土) 千葉×愛媛 フクダ電子アリーナ
・6/7 (土) 横浜FC×長崎 ニッパツ三ツ沢球技場
・6/14(土) 栃木×大分 栃木県グリーンスタジアム
・6/14(土) 千葉×京都 フクダ電子アリーナ
・6/29(土) 湘南×北九州 Shonan BMW スタジアム平塚
・7/5 (土) 東京V×山形 味の素スタジアム

 さまざまなチームを見たいので、なるべく重ならぬように予定を組んだ。14日の2試合は13時キックオフと19時キックオフで、新幹線を使わずに掛け持ち可能である。JR東日本の"休日お出かけパス"を使えば、交通費も3千円強で済む。

 ついにJ2連勝記録を打ち立て、首位を走る湘南を生で観ることもできる。今の日本で一番"濃い"チームだろう。スタイルの濃さと大胆さ――。言い換えるなら"キャラの立ち具合"は、カテゴリーの上下はあまり関係がないのだ。良いサッカーを見られるという期待感で、今から平塚に行くのが待ち遠しい。

"個"の部分でも、J2には見るべき人材がいる。前回のコラムで「日本代表23名中13名がJ2経験者」という内容を書いたのだが、2018年の代表選手もまた、14年のJ2に潜んでいる可能性は高い。例えば湘南は2016年リオデジャネイロ五輪の中心選手となることが期待されるCB遠藤航を筆頭に、4年後にピークを迎えそうな年代の選手が多数いる。私が気になっているのは、大分の松本昌也と岩武克弥。二人は10代ながら出場機会を得ている。

▼普段とは違う目線から
 いつも通っているスタジアムは、やっぱり居心地がいいものだ。ただ第三者の目線で、冷やかすくらいの感覚で観る楽しさもサッカーにはある。自省を込めた感想だが、我々はどうしても"自分のチーム"に対してとかく視野が狭くなっていくものだ。"他人の目線"で距離を置いて試合を観ると、却って普段からチームを熱心に観ているサポーターにさえ見えていなかったものが見えてくることもある。そこで気付いたことは、それは"マイクラブ"を観る上での気付きにもなる。

 普段からJ2を観ている方に「J2を観に行こう」と書いたら単なる蛇足だろうから、J2サポの方はぜひその下にも足を運んでいただきたい。W杯期間中はJ2が土曜開催に移るため、日曜開催のJ3を観に行くことができるからだ。

 日本代表がギリシャと戦う翌々日、6月22日(日)には町田市立陸上競技場でJ3の首位攻防戦「FC町田ゼルビア×AC長野パルセイロ」が開催される。来季のJ2昇格を占う大一番にして、それぞれに特徴の強いチーム同士の対戦だ。

 相馬直樹監督率いる町田は、現在J3の首位を走っている。前線から激しく追う守備をベースに、奪ったら味方を追い越す動きで一気に相手ゴールへ迫るスタイルには、湘南と同じ "濃さ"がある。J3の得点ランク首位に立つ鈴木孝司の冷静で技巧的なプレーも、ぜひ観て欲しい。アグレッシブなスタイルだからこそ、夏場の暑さに苦しむ部分もあるだろうが、それもまたサッカーの醍醐味。加えて相手は昨年のJFLを圧倒的な強さで制し、天皇杯もベスト16に進出した長野である。タフな展開は必至だし、レベル的にもJ2と遜色のないものが期待できるはずだ。

▼J1よりハイレベル......!?
 最後にとんでもない秘密を皆さんにお伝えしておこう。J2はJ1より総じてレベルが高い。それどころか、J3には英国プレミアリーグよりレベルが高いクラブがある――。

 念のために申し上げると、これは"スタジアムグルメ"についての評価である。水戸や草津のスタグルは私の知る限り浦和、横浜FMより格上だ(※ただし、鹿島は別格です)。J3なら町田の"YASSの角煮カレー"がおすすめで、J's GOALのスタジアムグルメ人気投票(2012年)でも1位の票数を集めていた名品だ。
(編集部注:大島は日本屈指の食いしん坊記者として知られる存在です)

 ここでプレミアリーグを引き合いに出すのは、自分がマンチェスターで"アウェイの洗礼"を受けたことがあるからである。野津田のYASSカレーとオールド・トラッフォードのキドニーパイ(牛の腎臓のパイ)を比べたら、そのクオリティは月とすっぽん、天と地の差だった。

 少しゆとりを持った第三者目線のスタジアムライフは、なかなかに実り豊かだ。ぜひ皆さんにお勧めしたい。ただし、観戦仲間としてアドバイスすることが一つだけある。現在の季節は梅雨――。天気予報を小まめにチェックし、雨予報の場合は屋根下の席を買う心づもりをしておくべきだろう。J2なら慌てて買わなくても売り切れの心配は無用である。


大島和人

出生は1976年。出身地は神奈川、三重、和歌山、埼玉と諸説あり。ヴァンフォーレ甲府、FC町田ゼルビアを取材しつつ、最大の好物は育成年代。未知の才能を求めてサッカーはもちろん野球、ラグビー、バスケにも毒牙を伸ばしている。著書は未だにないが、そのうち出すはず。

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匿名(IP:106.188.41.154)

党首の体型を知っていると、すごい説得力を感じる。

2014年6月 5日 10:59

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