【水戸】「新練習拠点『アツマーレ』遂に完成!竣工式や内覧会に村井チェアマンも列席」(2018/1/30)
【HHレポート】「新練習拠点『アツマーレ』遂に完成!竣工式や内覧会に村井チェアマンも列席」(2018/1/30)※無料記事(デイリーホーリーホック)
村井チェアマン「全54のJクラブの中でもトップクラスの設備」
2016年7月21日にホーリーホックと城里町による「城里町立旧七会中学校の跡地利用整備に関する協定書」の締結式から早一年半。
Jリーグ初となる廃校を利用した水戸の新練習拠点「七会町民センター(愛称アツマーレ)」(城里町小勝)が遂に完成!
2月13日の供用開始に先駆けて、1月28日に竣工式と内覧会が開かれ、上遠野修町長を始め、Jリーグの村井満チェアマンら約100人が列席しました。
構想から約2年。
旧七会中学校の校舎を約3億2800万円かけて改修。水戸ホーリーホックのクラブハウスや天然芝グラウンド2面の練習場だけでなく、城里町役場の支所、公民館も併設した複合施設。生徒の自転車置き場だったスペースにはBBQ施設も近々オープンします。
紆余曲折を経て、竣工式を迎えた上遠野修町長は「サッカー、文化活動に関心ある方々がアツマーレで交流し、ひとりでも多くの人に城里町を知って、来て、好きになり、住んでくれることに繋がって欲しい。そしてサッカー少年少女達の憧れの地になれば嬉しいです」と感慨深そうに挨拶。
村井チェアマンは「この施設は水戸にとってJ1へ向けた大きな一歩。Jリーグ百年構想に基づいた一つの大きなモデルになるでしょう」と語りました。
そしてテープカットが行われた後は、施設の内覧会がスタート。
あいにく雪に覆われて桂中学校対水戸ホーリーホックジュニアユースのこけら落としの試合は中止に。
残念ながらピッチの芝の状態は見えませんでしたが、村井チェアマンはJ1ライセンスの基準を満たす選手のロッカールームやシャワー室、2階のミーティングルーム、監督室など、水戸ホーリーホックの専有スペースを見学すると、「全54のJクラブの中でもトップクラスの設備」と絶賛。
沼田邦郎社長は「我々の今年のスローガンは『一新』。今まで築いてきたものを再確認しながら、新天地で第一歩を踏み、J1ライセンスを取り、J1を目指します」と引き締めていました。
チームがアツマーレで練習を開始するのは、沖縄キャンプを終えた後。
J1昇格に向けた新拠点が、もう間もなく本格始動します!
コメント
○村井満チェアマン
Q.施設を見学した感想は?
「Jリーグのクラブハウスとしては、全54クラブの中でもトップクラスの設備だろうなというのが率直な感想です。インドアでフットサルができるような規模の体育館もありますし、裏にプールもあり、ロッカールームやマシンルーム、必要な性能が全て揃っていると思います」
Q.このような廃校を利用したクラブハウスや練習場が誕生したというのは、Jリーグにとってどんな意味を持ちますか?
「小中学校を学校としか見ていなかったなと気付かされました。いわゆる地域の交流、スポーツ振興の拠点であったり、学校はそういう性能や設備を備えていたんだなと改めて思いました。教室はミーティングルームですし、図書館は作戦立案の場。クラブはサッカーをするだけでなく、色んなスポーツに関わる振興の役割を果たさなければいけない。プロのアスリートは相当、栄養や健康のための食事に気を使わなければいけないのですが、そういったノウハウを調理室から社会に還元することもできるなと。高齢者の健康増進であったり、プロはそういうノウハウを持っていて、それをこういう所で還元できる。大きく目を開かされました。こういった廃校を利用することを全国のクラブがもう一回考え直した時、水戸のノウハウを転用できるのではないかと思いました」
Q.見学して感じた課題とは?
「今日は驚くばかりで課題の部分まで行き着いていませんが、おそらくクラブがサッカーをするためだけに使ったら、宝の持ち腐れになってしまう。Jリーグ創設の時に色んなスポーツ文化を振興しようとスタートしたんですが、財政の問題があり、結局サッカー中心のクラブが多くなっています。一部はバスケットをバレーボールをやったりしていますが。クラブがサッカー以外のスポーツの振興もしていこうという原点に帰った時、こういう施設が有効利用できるんじゃないかと思いました。今回は駐車場の整備をしていただいたり、3億円ほどかけて手を入れていただいた訳ですが、普通の学校をプロの施設に転用するためには一定の投資が必要。今回はそこまで城里町の方がご協力いただきましたが、財政的なことを地域とクラブが一緒になってできるかがポイント。いずれにしても我々がこういう施設を利用するためにも、Jリーグが一歩進まなければいけないなと思います」
Q.資金力が乏しいクラブがこのような施設を持ったということはどのように感じますか?
「隔週、ホームタウンのスタジアムで試合をするだけでなく、日常的にクラブと地域が触れ合える。ここで選手やクラブが日常活動を行って、地域の人達がここで出入りして、選手と施設をシェアする。そういう活動の中で本当の意味でのホームタウン活動となり、地域に根ざしていくんだろうなと思います。地域の人が出入りできる広いスペースがあることは、クラブにとっても非常に理想。最後、『54人の社長が集まれる会議室はあるの?』と聞いたら、あるようでしたので、どこかのタイミングで全クラブの社長を集めて社長会議を開きたいと思いました。多分、ここを見た時、みんなビックリしながら『これこそ、本当のホームタウンだね』と実感するんじゃないかと思いました」
○沼田邦郎社長
Q.クラブハウスができました。
「リノベーションしていただいて、Jリーグ初、日本初の廃校を利用させていただいた想いがありまして、非常に素晴らしいことだなと思います。我々がここを拠点として活動していくことで、この地が世界に羽ばたける土地であることを世界に発信することができる。城里は人口減少だったり、少子高齢化の問題も含めて、全ての産業として我々を活用していただき、解決できるような道筋が立てたらと思っています。すごく夢がある思いです。ここから卒業された方も多いと思いますので、そういう方も我々が使うことで思い出の地が残る。非常に双方良い事だらけだなと思います」
Q.新練習場が完成し、改めて今シーズンの目標を。
「我々の今年のスローガンは『一新』。すべてのものを改めることではなく、今まで築いてきたものを再確認しながら、新天地で第一歩を踏み、J1ライセンスをしっかり取って、そしてJ1を目指そうと思っています」
Q.城里町としては大きな財政負担となっています。それに関してはどうやって町に応えていくのか、あと町民の方に対する想いを聞かせてください。
「水戸ホーリーホックはJリーグの百年構想の下、地域に根ざした活動をして皆さまと共に歩んでいきます。ここに我々が来たことで、城里町の皆さま方が全世界に名が知れ渡り、有名になるというのはもちろんですが、ここで産業を興すことで町が活気を取り戻し、この地域から世界で羽ばたく選手が出たり、そういった夢のある活動を更に拡げていきたいと思っています。是非、皆さんと共にということを念頭に置いていますので、水戸ホーリーホックをご利用いただいて、そして一緒に戦っていただければなと思っております」
Q.今、サッカー以外で使用したいと思っていることとは?
「元々、学校なので、色んなスポーツをさせていただければと思います。出ていただければわかるように、環境が素晴らしい。目の前に川も流れていますので、環境活動や文化関係の取り組みもしたい。もうすでにやっていますが、田植えをして稲刈りをして米を食べたり、ホタルの学習もできます。真っ暗になると星がきれい。そういったサッカーだけでなく、文化に関して子どもが夢を抱けるような活動をして、選手にもそういった活動の中で勉強してもらいたい。広い意味での活動拠点になるかなと思います」
Q.水戸から城里に拠点を移すことに対する戸惑いの声もあります。
「町長もおっしゃいましたが、水戸ホーリーホックのエンブレムは水戸藩の家紋。この城里町も水戸藩。我々も地域に根ざした活動の中で、水戸から拠点が移りますが、周辺地域の方々にも支援をしていだいている。過疎の問題であったり、なかなか産業が少ない所でも地域の発展があれば、茨城の発展となる。広い意味での練習拠点とさせていただいておりますので、ご理解いただきたい。これからここで活動することで、それがわかるような仕組みを作っていきたいと思います」
Q.他の地域と関わり合いの構想は?
「ホームタウンを全部で9市町村に広げさせてもらいました。我々のホームタウン活動が年間800回を超え、3、4ヶ所の色んな地域で毎日させていただいています。それを県北に広げていければなと思います。スポーツで茨城全体を盛り上げていければなと思っています」
Q.今後、選手寮を近くに作りたいという計画は?
「私が就任してから、育成を重点的に取り組んで来ましたが、今後も日本一の育成クラブを目指していきたい。高校生年代も含めた選手寮を町にご協力いただきながら検討したいです」
○上遠野修町長
Q. 議会でもめたことを踏まえて、竣工式や施設見学を終えた感想は?
「城里町が多くの人に知って貰い、来て貰い、好きになり、住んで貰う。その一つの大きなきっかけを歩み出すことが出来たと思っています。今日、全部で11名の町議会議員の方に来ていただいて、議長からもお祝いの言葉もいただいて竣工式を迎えられたことは、本当に嬉しく思っています。今日は新たなスタート。これからはこの施設を使って、町をどうやって盛り上げていくかという議論を始める時が来たと思っています」
Q.町民にとってこの施設はどういう存在であって欲しいですか?
「町民にとっては色んな意味があると思います。文化活動、スポーツ、防災、行船の拠点となります。ここに来れば地区住民にあらゆるサービスを提供できる。そういった場所になっていきます」
Q.ホーリーホックの魅力やどういった部分に期待していますか?
「水戸市は100万人が一時間半ぐらいで集まろうと思えば集まれる場所。それは考えれば、水戸ホーリーホックの潜在能力は鹿島アントラーズよりも高いと思います。今まで十分な環境やチャンスが与えられなかったので、今の地位にいるだけ。10年後、水戸ホーリーホックは鹿島アントラーズに肩を並べる球団になってくれるはずだと確信しています。その可能性に賭けて、このクラブハウスを成立させました」
(佐藤拓也)
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