【水戸】「水戸ユース、U-16日本代表に0-1で惜敗!」【育成NOW】
「水戸ユース、U-16日本代表に0-1で惜敗!」【育成NOW】※無料記事(デイリーホーリーホック)
「いい意味でも悪い意味でも今年の一年間のカラーが出た」一戦
9月13日、ひたちなか市新光町のひたちなか市総合運動公園スポーツ広場で、水戸ユースとU-16日本代表のトレーニングマッチが開催されました。
9月20日開幕のAFC U-16選手権マレーシア2018に出場するU-16日本代表は、9月10日から水戸市で直前合宿をスタート。その練習試合の相手として、地元Jクラブである鹿島アントラーズユースとともに水戸ユースが選ばれ、今回の練習試合が実現しました。
プロや日本代表を目指す水戸ユース選手にとって絶好のアピールの機会であり、年代別の日本トップ選手と対戦することは腕試しのチャンス。
水戸ユースは現状のベストメンバーで、アジア各国と戦う日本代表選手との40分ハーフの一戦に臨みました。
茨城県一部リーグ所属の水戸ユースは1、2年生が中心のチーム。ほとんどのメンバーを固定し、攻守で変則的なシステムを採用するポゼッションサッカーを主軸としています。
水戸ユースは練習試合の3日前に発足したばかりのU-16日本代表に対し、序盤から若い力が躍動。前線から激しいプレスをかけ、左サイド、中央を攻略してゴールを狙います。
今季積み上げてきた連動性を見せ、個の力をチームで上回った水戸ユース。U-16日本代表に後手を踏ませる展開へと持ち込みます。
あらゆる策を講じて得点の気配を徐々に高めていきますが、課題である決定力不足が露呈。再三の好機もGKに防がれ、放ったシュートも枠の外へ…。
一方、U-16日本代表は前半終盤に攻撃のリズムを作り出しますが、2種登録中のGK木村豪選手が好セーブを連発。
水戸ユースはなかなかネットを揺らせられず苛立つU-16日本代表に対し、集中力を切らさずに対応。結果、0-0のスコアレスドローで折り返しました。
続く後半、水戸ユースは前半と同じメンバーで始め、U-16日本代表は多数メンバーチェンジ。
前半の戦いを修正してポゼッションを高めたU-16日本代表に翻弄され、次第に足が止まり、ミスが目立ち始めます。
そして56分、自分たちのミスからU-16日本代表が先制。意地を見せたい水戸ユースでしたが、相手に隙を突かれ、劣勢となる時間帯が増えていきます。
しかし最後は執念を見せて相手ゴールを脅かし、76分に訪れた決定的な場面は残念ながら局面の打開には至らず。
0-1で惜敗した樹森大介監督は「いい意味でも悪い意味でも今年の一年間のカラーが出た」と試合を振り返り、年代別日本代表との刺激的な一戦を終えました。
茨城県一部リーグ3位(9月13日現在)の水戸ユースは、今季の優勝に赤信号がともっている現状。しかし昨年クラブ史上初の16強入りした「Jリーグユース選手権大会」へ向けてチーム一丸となり、歴史に名を刻もうと懸命に練習を積み重ねています。
今年の初戦は10月13日14時から徳島スポーツビレッジで徳島ヴォルティスユースと対戦。秋の天王山で昨年以上に躍動する姿を見せてくれるに違いありません。水戸ユースの今後の戦いに注目しましょう!
コメント
●樹森大介監督
Q.試合の総評をお願いします。
「同年代のトップ相手にどこまでできるかチャレンジしようと入りました。ただいい経験が出来るだけでなく、U-16に入れる権利を持っている1、2年生の選手はアピールも兼ねている。全員がモチベーションを持って戦いました。その中で日頃ユースとしてやっていることでどこまで通用するのか。同年代のトップと何が違うのか。それは出ている選手は肌で感じる。出ていない選手も見て比べることをして欲しいと思いながら挑みました」
Q.前半は個の力をチームで上回る戦いで圧倒しました。
「前半はうちのストロングであるボールを保持しながらチャレンジすることが出た。今年一年、体現できていることが出た中で、課題であるシュートの部分も出てしまった。相手は即席のチームなので、守備の連動性とかで後手を踏んでくれたと思います。決して、個の能力はうちが上な訳がない。ちょっとしたグループのタイミングでいい感じに見えたのだと思います。良ければ、うちの選手が代表になっていますし」
Q.後半は互いに大幅にメンバーを変えて、0-1と惜敗しました。
「後半はミスからの失点でしたが、それも今年の流れと一緒。そのままのゲーム内容になってしまいました。こちらが獲るチャンスもあったのですが、それも決定力不足。いい意味でも悪い意味でも今年の一年間のカラーが出た試合でした。いつもと同じ。上手い、強いなと感じたと思うし、後半なんて相手に保持される時間も多くて、県リーグではあまりできない経験が出来た。こういう経験を日頃からできる訳ではない。刺激にはなったと思います」
Q.リーグ戦も終盤戦です。
「今日ももちろん勝ちに行っている。本当に決めてくれよと今日も思いましたし、リーグ戦も本当にこういう内容ばかり。リーグ戦だともっとうちが押し込んでいるんですよ。前々節、その前も引き分けでした。日々選手が成長出来るような色んな経験をしてトップで活躍できるのが、僕らの一番の目標。結果だけに一喜一憂せずにいきたい。ただ勝ちたいですけれどもね」
●DF3 今井涼成選手(ゲームキャプテン)
Q.U-16日本代表戦を振り返って下さい。
「相手が代表ということもあり、いつもの県リーグとは違ってボールを保持されました。ペースを握られる時間帯もあり、動き出しの質とかも違うし、自分たちもいつも出来ていることが出来なかった。自分たちはポゼッションサッカーをする中で通用した部分、取られた部分もあった。失点のシーンは自分たちのミスから生み出してしまった。リーグ戦もそんな風に勝ち点を取りこぼしている。相手のレベルの上がった中で、今までの課題も出てしまった試合でした」
Q.前半は粘り強さを見せた展開でした。
「うちのチームは1、2年生が多いですし、U-16代表監督もいたのでいつも以上に気合が入っていた。3年生は2年前に代表との試合を経験していて、モチベーションも高かったです。立ち上がりは自分たちの課題でもあったので、しっかり全員で意識を持って、代表の空気に飲まれないように出来たと思います。自分たちのいい所を出して、フィニッシュまで行けた。けれどもそれを決めきる力、守備がしっかり守り切る所が足りない。最後の部分をもっとあげていきたいです」
Q.後半は自ら失速して、失点を喫してしまいました。
「相手が要所要所、やる所をしっかりやってきた。前半の中盤から、相手が自分たちもボールを持てるというのを理解してきて、攻守にメリハリを付けてきた。自分たちはそこで縦パスを入れた時に焦れてミスもあり、そこでカウンターを食らったりしてしまった。前半も最後の方で攻められる場面も増えた。そこから自分たちでいい流れを作れずに、相手に主導権を渡してしまいました」
Q.日本代表選手との差はどういった部分に特に感じましたか?
「まずはチームとしてもう一回り大きくなるのが大事だと思いました。もっと全国とか行けるチームに成長していかないと。色んな人に自分たちを見てもらう場所を自分たちでしっかり作っていかねばならない。あとはもっとチームの中で競争意識を持ちたい。今年はメンバーが固定されているので。3年生がもっとチームを引っ張りたいのですが、人数が少なくてなかなか難しいのが現状。関東クラブユースで負けてしまいましたし、3年生がもっと上でやるんだという意志を示さなくてはならない。それを表現できるようなチームにならなければいけません」
Q.終盤戦への意気込みを。
「クラブがユースに対して色々投資してくれているのは良くわかっています。これまで先輩方が積み上げてくれたものが、自分たちにいい影響を与えてくれている。あとは自分たちがしっかり結果を残すだけです。リーグ戦の優勝は厳しい状況になっているのですが、Jユースという大きな大会があります。一人ひとりが自覚を持って、全員で同じ方向を向いていきたい。今年も間違いなくいいサッカーができている。大一番で大事なってくる最後の部分を高めていきたいです。いいものを全員で掴んで、最後のJユースで見せていきたいです」
●GK21 木村豪選手
Q.試合を振り返って下さい。
「前半は戦術通り、しっかり主導権を握ったままいけて、チームとしてもまとまってボールを動かしながらシュートまで行くことができました。しかし、チームの課題であるバイタルの部分で得点できずに前半を終えたのは悔しかったです。後半は前半同様、入りもいい流れでいけていたのですが、チャンスもあった中で決めきれなかった。そこは上げていかねばならない部分だと思います」
Q.前半は粘り強い攻守を見せていました。
「自分はコーチングが売り。しっかり声をかけて、守備の部分では球際、チャレンジ&カバーもさせて、前半はゼロで終えられました」
Q.好セーブも連発しました。
「前半の一つのセーブは数的不利な状況でしたが、結構イメージ通りに相手がボールを出してくれた感じでした。今週はリアクションの練習をしていたので、その成果が試合で出たと思います。後半は失点がありましたが、そこはコーチングで味方を動かせば防げたと思います。悔しい気持ちです」
Q.代表チームとの対戦で得たこととは?
「僕らは後ろから繋いで、バイタルで勝負するというスタイル。ミスのリスクもありながら動かしているのですが、ミスの部分が失点に繋がってしまった。ミスからの失点は課題。そこを踏まえて、Jユースに向けて改善していきたい。Jユースは失点ゼロに挑みたいです」
Q.Jユースまであと1ヶ月足らずです。
「県リーグでの優勝は難しいですが、プライドを持って上位を目指したい。最後のJユースはリーグ戦で得たことを無駄にせず、昨年以上の結果を残せるようにやっていきたいです」
Q.2種登録中の木村選手はトップ昇格へ向けて大事な一年となっていると思います。
「この一年、トップ昇格に向けてやってきましたが、自分でも物足りない部分があり、現状では厳しいと思っています。でも上がれなくても、大学4年間のチャンスがある。卒業後に水戸に戻ってこられるよう、4年間、しっかりやっていきたいと思います」
(米村優子)
*****
「デイリーホーリーホック」のオススメ記事
「秋晴れに恵まれたオフ明け。新潟戦へ向けてメリハリのある練習」【練習レポート】
細川淳矢選手「残り試合は全てトーナメント戦のような意気込みで挑まなくてはならない」【コメント】