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【田村修一の視点】2025年8月2日 J2リーグ第24節 ジェフユナイテッド千葉vsいわきFC

J2リーグ第24節 千葉2(0-1)2いわき
19:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数 13,128人
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シーズン折り返し後の第2戦、目の前の対戦相手との勝負はもちろん大事だが、後半戦を戦い抜くためのチームのベースをどれだけ強固なものにできるか。その意味で両チームにとって手応えと課題が明らかになった試合だった。

 

千葉は新加入選手の融合と、原点回帰のブレることのないチーム再構築から、戦える態勢を再び取り戻した。全員が同じコンセプトのもとに、迷いなくプレーができるのは大きな強みではある。ただ、それがどれだけのアドバンテージになるのかは、混戦が続く現在の
J2ではいまだ未知数である。好調の椿直紀に加え、負傷による長期離脱の田中和樹に代わりイサカゼインが加わった生命線のサイド攻撃だけでなく、中央からの展開など攻撃の幅をどれだけ広げられるかが、悲願の昇格に向けての鍵になるのだろう。

 

一方、前半戦終盤から3勝2分1敗と好調を維持するいわきは、この日も後半は千葉にペースを握られながらセットプレーから同点に追いつき(83分、深港壮一郎)、貴重な勝ち点1をいわきに持ち帰った。ただ、千葉との戦いでは破綻をきたすことなく、粘り強く同点に追いついたフィジカルを全面に押し出したコレクティブなプレーを、J2の厳しい戦いのなかでどこまで持続できるか。簡単ではないが、残留(あるいは上位進出)に向けて、底力を見せて欲しい。

 

 

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。