【審判批評】「レフェリーとGKと審判は似ているが、違いは”褒めて貰えるか”」【無料投票】1月16日23時締切:2017年最優秀主審投票
審判批評コラム「レフェリーとGKと審判は似ているが、違いは”褒めて貰えるか”」【無料投票】1月16日23時締切:2017年最優秀主審投票(石井紘人のFootball Referee Journal)
審判員とゴールキーパーは似ている気がする。
ひとつのミスが試合に与える影響は計り知れず、かくも多くのことを依存される。そして、そこに立てるのはかくも少ない人でもある。
川口能活や楢崎正剛と同世代だったゴールキーパーが、国民の注目を浴びることはなかった。なぜならば、ゴールキーパーとして日本代表のピッチに立てるのは一人。日本代表選手として選出されるのは三人だが、実際は二人の競争となることが多い。フィールドプレーヤーならば、10人という枠が存在するが、ゴールキーパーに用意されるスポットライトはひとつしかなく、入れ替わりもあまりない。
それは審判員も同様だ。FIFAワールドカップ2002年日韓大会に選ばれたのは上川徹だったが、岡田正義もエントリーされていた。どんなに優秀であっても、同国から二人がワールドカップに選出されることはないし、決勝など桧舞台に立てるのはその中からさらに一人に絞られる。ゴールキーパー同様に、孤独極まりない。
そんな審判員とゴールキーパーには大きな違いがある。ゴールキーパーは「ファインセーブ」と言って褒めてもらえるが、審判員が喜ばれることは、まずない。
ということで、たまには褒めてみたい。フットボールレフェリージャーナルの2017年最優秀レフェリーを選ぶという形で。
Jリーグアウォーズで最優秀主審賞を最多受賞している西村雄一は、優雅な姿勢と高い表現力で試合をコントロールする。同様に、家本政明も海外トップレフェリーのような落ち着きを身につけた。理論派である夏嶋隆氏に弟子入り後の家本は目を見張るものがある。そこに食い込む村上伸次のコミュニケーション能力の高さ。扇谷健司のマネジメント。佐藤隆治も豊富な運動量を武器にアジアチャンピオンズリーグファイナルやチャンピオンシップなどビッグマッチを妥当に終わらせ、ワールドカップに近付いた。そこに食い込んでいくのが先日の天皇杯ファイナルを妥当に終わらせた東城穣や飯田淳平。松尾一や高山啓義や今村義朗のキーマンを探す目も確かである。英語の教員である廣瀬格の優しく強いレフェリング、井上知大も存在感をつけている。木村博之は昨年のゼロックスを経て若手レフェリーたちの中から一つ突き抜けた。また、FootBallRefereeJournalが期待する若手の中村太や山本雄大。
なんて羅列をしてみたが、サポーターの方々からすれば、嫌いな名前ばかりだろう。フットボールにミスはつきものであり、審判員もミスをしているため、当然の感情かもしれない。このように褒めてみた所で、反論できる火種を持つ人たちは多数存在するだろう。それでも、あえて訊いてみたい。
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