神戸のノエビアスタジアムについて「ハイブリッド芝でのピッチが初めて生まれる(Jリーグ・佐藤氏)」
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今回は「Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~」からの記事になります。
神戸のノエビアスタジアムについて「ハイブリッド芝でのピッチが初めて生まれる(Jリーグ・佐藤氏)」~2017年のスタジアム動向より~(6)(Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~)
2017年09月21日更新
一昨年オープンした吹田スタジアムや今年オープンしたミクニワールドスタジアム北九州、最近では今年7月にヴァンフォーレ甲府の新スタジアム建設地が決定し(※)、今月10日にはFC今治が使用する「ありがとうサービス. 夢スタジアム」がオープンするなど、現在日本各地でスタジアム建設をめぐる動きが活発となっている。
そこで今回は、今年2月に行われたJリーグキックオフカンファレンス第3部での、Jリーグ経営管理本部・クラブ経営戦略部スタジアム推進グループ・佐藤仁司マネージャーの話を振り返りながら、2017年のスタジアム動向について掘り下げていきたい。
(5)「ハイブリッド芝は97%が天然芝。天然芝の育成環境が悪いスタジアムでは育たない(Jリーグ・佐藤氏)」
○佐藤仁司マネージャー
(ハイブリッド芝を採用したピッチの)おそらく第1号になるんじゃないかなというのが神戸のノエビアスタジアムです。
ノエビアスタジアムでは去年の10月からハイブリッド芝をピッチのアウトサイドでテストを始めました。ちょっとミソなのがハイブリッド芝だけではなくて『グローイングライト』という人工照明、地温コントロールシステムを同時に入れて実証実験をしています。ですので、先ほど説明したとおり、ヨーロッパスタイルの冬芝一本で勝負すると聞いています。ということで、これが今年の8月くらいまでにテストして、実証実験をして認められた場合はピッチの中に敷設する。すると来シーズンは、ハイブリッド芝でのピッチが初めて生まれると考えています。
※今シーズン終了後、ハイブリッド芝を敷設予定。
・ノエビアスタジアム神戸 ハイブリッド芝について ~ 国内スタジアム初のピッチ内敷設へ(2017/7.25.Jリーグリリース)
■同スタジアムにおけるハイブリッド芝導入までの経緯(リリースより)
2016年6月 : 実行委員会、理事会にて、ハイブリッド芝導入に向けた手続きを承認
2016年10月 : 同スタジアムピッチ外でハイブリッド芝を敷設し、実証実験開始
2017年6月 : 第3者機関によるフィールドテストを実施。ハイブリッド芝の安全性および質を天然芝と比較
2017年7月 : 理事会にて2018シーズンよりハイブリッド芝ピッチ内敷設を承認
■フィールドテスト総評
同スタジアム(ピッチ外)に敷設されたハイブリッド芝のフィールドテストの結果、当該ハイブリッド芝は、安全性および質の点において、天然芝と同等であることが確認された。なお、今回の実証実験の成功要因は、グローイングライトや地温コントロースシステム等、天然芝育成環境の確保によるところが大きいと推察される。
■特記事項
今後もハイブリッド芝のピッチ内敷設に関しては、スタジアム毎にテスト敷設(ピッチ外)し、実証実験を経て、その可否を判断する。
さらに国内では、実は大分の大銀ドームのメインスタンド側の副審走路だとか、ラグビーの練習場、それからレッズランドにもハイブリッド芝が敷設されています。
ヴィッセル神戸はスタジアムだけではなくて、練習場であるいぶきの森でも敷設して、トップチームがGK練習やフィジカル練習でハイブリッド芝を使っています。実現に向けて、Jリーグもますますサポートしていきたいなと思います。
【参考】
・天然芝と人工芝のハイブリッド芝「エクストラグラス」が浦和レッズ運営施設「レッズランド」に採用(2016年10月11日、三菱樹脂株式会社、株式会社アストロ)
http://www.astrocorp.co.jp/news_h281011.html・天然芝のグラスマスター(株式会社パルカ)
http://paruka.jp/about.html
(7)へ続く
「Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~」ではこのほかにも下記の記事などを掲載中です。
「ハイブリッド芝は97%が天然芝。天然芝の育成環境が悪いスタジアムでは育たない(Jリーグ・佐藤氏)」~2017年のスタジアム動向より~(5)
ハイブリッド芝について「ピッチの稼働を増やすことができる、これが非常に大きなポイント(Jリーグ・佐藤氏)」~2017年のスタジアム動向より~(4)