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【六川亨の視点】2025年6月21日 J1リーグ第21節 川崎フロンターレvsヴィッセル神戸

J1リーグ第21節 川崎F1(1-1)2神戸
19:03キックオフ Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 入場者23,103人
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ACLは決勝まで勝ち進みながら、5月3日のアルアハリ(サウジ)との決勝は0-2で敗れてアジア制覇を逃した川崎F。しかし、その後のJ1リーグ戦は5月14日の横浜FC戦から6試合負けなしで7位まで浮上してきた。ここまで20試合で21ゴールは3位の神戸とまったく同じ。攻撃力を持ち味とする両チームの対戦は、期待を裏切らない白熱した好ゲームとなった。先制したのはホームの川崎F。前半6分、山本悠樹のパスをマルシーニョがワンタッチで前線に送ると、走り込んだ脇坂泰斗も半身になりながら右足アウトサイドのワンタッチでゴール左に流し込む。ボックス周辺でのワンタッチプレーの連続に、さしものGK前川黛也も為す術がなかった。

 

脇坂がゴールでサポーターの声援に応えると、一昨シーズンまで等々力をホームにしていた宮代大聖も2ゴールを奪ってサポーターのため息を誘った。圧巻だったのが後半7分の決勝点だ。交代出場エリキのスルーパスに左サイドからダイアゴナルに走り込むと、反転しながらGK山口瑠伊と正対してガラ空きの左スミに決勝点を流し込んだ。昨シーズンは神戸へ移籍して11ゴールと、ストライカーとして開眼した感のある宮代。一昨シーズンまでならこうした場面でも、慌ててゴール枠を外したり、GKにぶつけていたりしていただけに、ストライカーとしての急成長には目を見張るものがある。負傷離脱中の大迫勇也、武藤嘉紀の穴を十二分に埋めていると言っても過言ではないだろう。

 

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。