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【森雅史の視点】2024年6月29日 J1リーグ第21節 川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島

J1リーグ第21節 川崎F 1(1-0)1 広島
19:03キックオフ Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 入場者数22,393人
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23分、瀬古樹がペナルティエリア外正面からシュートを放つと、これが広島の選手に当たってゴールに向かう。大迫敬介が止めはしたものの、そこに詰めたマルシーニョが蹴り込んで川崎がリードを奪った。だが88分、満田誠がペナルティアーク前から放ったシュートも川崎の選手に当たり、こちらはゴールにそのまま飛び込んだ。

 

1-1の引き分けはフェアな結果だと言えるだろう。お互いにチャンスは少なかったが、まだ川崎のほうが逆襲速攻から相手ゴール前に迫っていた。ただし、ゲームを組み立てようとしていたのは広島のほうで、アタッキングサードでのミスが多かったためになかなか川崎を脅かすことができなかった。

 

川崎はボール保持率で広島に劣ったが、これも選手たちのコンディションが整っていない現状では仕方がないのかもしれない。一方の広島も控えにDF登録の選手がいないなど、守備陣のケガ人の多さが目立っている。広島は満田がアウトサイド、ボランチ、インサイドハーフ、トップ下と様々なポジションがこなせるおかげで戦術のバリエーションが多いものの、現状で最もチャンスを作り出す満田をアウトサイドに置くと、そのぶん中が単調になってしまう。同点ゴールは満田がアウトサイドからワンツーを使って中央に入ったから生まれたことを考えても、満田を本人が最もやりたいと思っているインサイドハーフで固定し、攻撃の質を上げることを考えてもいいのではないだろうか。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート