【六川亨の視点】2024年6月30日 J1リーグ第21節 FC東京vsアビスパ福岡
J1リーグ第21節 FC東京0(0-0)1福岡
18:34キックオフ 味の素スタジアム 入場者20,133人
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直近4試合を3勝1分けで6位に浮上したFC東京。対する福岡も直近5試合を4勝1分けで8位に浮上してきた。ただ、6月22日の第18節から両チームとも中3日の3連戦の3戦目とあって、前半はともに低調な試合内容だった。「連戦のなかでほとんど練習ができない」(長谷部茂利監督)という福岡は、「自分たちの攻撃のミス」からチャンスを潰して前半のシュートはわずか2本。一方のFC東京も高宇洋と俵積田晃太をベンチに置いたため攻撃の歯車がかみ合わず、ディエゴ・オリヴェイラに単調なロングボールを入れるだけ。しかしドウグラス・グローリのマンマークにチャンスらしいチャンスを作れなかった。
0-0で迎えた後半、互いにベンチには荒木遼太郎とシャハブ・ザヘディというジョーカーがいるだけに、いつ両監督が動くか期待したところ、先に動いたのはピーター・クラモフスキー監督だった。61分、仲川輝人に代えて俵積田を投入。すると長谷部監督は1分後に小田逸稀と重見柾斗を同時に起用して、システムも3-4-2-1から4-4-2に変えた。この采配がズバリ的中し、21分に右SB小田のアーリークロスを2トップに入った重見がニアで合わせて決勝点を奪う。クラモフスキー監督も次々に控えの選手をピッチに送り込んだが、「ゴール前のクイックネスとシャープさを出すことが必要だった」という通り、最後まで攻撃のリズムをつかむことができず5試合ぶりの黒星を喫した。
FC東京にとって不運だったのは、後半9分のCKのチャンスにディエゴ・オリヴェイラと安斎颯真が負傷したこと。ディエゴ・オリヴェイラはゲームに復帰したが、安斎は頭部から出血したようで、バンデージを巻いてゲームに戻った。しかし30分に自陣ゴール裏で座り込んでしまい、遠藤渓太との交代を余儀なくされた。大事に至らないことを祈りたい。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。