
【六川亨の視点】2025年6月14日 J1リーグ第20節 FC東京vsセレッソ大阪
J1リーグ第20節 FC東京2(1-1)2C大阪
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者24,572人
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5月に行われた浦和、広島、京都に3連敗したことで降格圏の18位まで後退したFC東京。代表戦による中断期間には、特例により移籍ウインドウがオープンしたため積極的な補強に取り組んだ。ハノーバーから右SB室屋成を獲得したのを皮切りに、GKキム・スンギュ(アル・シャバブ)、CBアレクサンダー・ショルツ(ワクラSC)、さらに浦和からFW長倉幹樹とバランス良く補強した。ただC大阪戦でプレーできたのは室屋だけ。ショルツはまだ来日しておらず、長倉も登録の関係で18日の天皇杯から出場が可能になるという状況だ。
そのC大阪戦では室屋の復帰により松橋力蔵監督は4BKの4-2-3-1を採用。「なかなか勝ちに結びつかない試合が続き、勝点を取れないのでフォーメーションを変えることは頭の中にあった」という。チームにとって大きかったのは、負傷で戦列を離れていたマルセロ・ヒアンが5月25日の広島戦以来となる復帰を果たしたこと。彼は開始3分にショートカウンターから先制点を奪うと、後半36分には野澤零温のスルーパスに抜け出し貴重な同点弾を決めた。ただ、『堅守からのカウンタースタイル』に舵を切ったのなら、1-0もしくは2-0で終わらせなければいけない試合だったし、そのチャンスもあった。
この日のドローで横浜FCと入れ替わって17位に浮上したものの、その差はたったの1勝点。今後も苦しい試合が続くことは間違いなく、補強した選手がフィットするまでは耐えて勝点を拾うことが浮上には欠かせない。まずは1か月ぶりの勝利をサポーターに届けたいところだ。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。