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【森雅史の視点】2025年5月17日 J1リーグ第17節 FC町田ゼルビアvs柏レイソル

J1リーグ第17節 町田3(3-0)0 柏
14:04キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数8,741人
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柏のパス成功本数は480本と、町田の240本の倍あった。そしてこのパスの多さが勝敗に直結したと言えるだろう。

 

この日は雨。試合前のピッチには水たまりのような跡が見えており、またボールが転がると水しぶきが上がるエリアもあった。蹴ってもボールが転がらず、ロブが多くなるような戦い方は町田に向いていた。また、前半のピッチ選択でより水が溜まっているほうが柏の陣だったのも影響が大きかった。

 

4分、仙頭啓矢のスリッピーなピッチを生かしたミドルシュートに端を発した町田の波状攻撃を最後は林幸多郎が押し込む。16分には林がゴールライン付近まで運んで中に入れたボールがオウンゴールを誘った。そして前半アディショナルタイム、ペナルティエリアの中でキープしたオ・セフンを思わず引っかけPK。これをナ・サンホが決めて町田が前半のうちにセーフティリードを奪った。

 

町田に運があった、柏はアンラッキーだった、とも言える。1点目はGKが防ぎ、クロスバーが防いだボールが林の前にこぼれたのだ。2点目も当たってこぼれた先がゴールの外だったら得点にはならなかった。何より、柏にとってプレーしにくいほうのピッチを使わなければいけなかった前半の間に3点入ったというのも運だったかもしれない。

 

しかし、1点目は林がしっかり詰めていたこと、2点目もオ・セフンがゴール前に飛び込んでいたことなど、町田はしっかりとした詰めを見せた。そのプレーがなければ運が味方をしても勝利は難しかったに違いない。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート