【森雅史の視点】2024年6月2日 J1リーグ第17節 東京ヴェルディvs北海道コンサドーレ札幌
J1リーグ第17節 東京V 5(3-1)3 札幌
13:08キックオフ 味の素スタジアム 入場者数16,301人
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東京Vも札幌も2面性を見せた試合だった。
今季、ここまで東京Vが3点以上奪われた相手は鹿島、町田、広島だけと、どこも上位争いをしているチームばかりだった。ところが最下位に沈む札幌に3失点。これは城福浩監督にとって想定外のことだっただろう。もちろん前半に3-1とリードしたことでアプローチが弱くなってしまったという点はあるだろう。ただ後半だけ取ってみれば2-2と、問題点も露呈した。それでもしっかり5点を奪った得点力は、この試合の前まで得失点差がマイナスだったチームにとって明るい兆しだ。
札幌は20分の荒野拓馬と46分の近藤友喜が決めた、どちらも1点差に迫るゴールの後は勢いを取り戻した。ところがしばらくするとすっかり自信を失っているかのようにボールを大事にしなくなった。本来は流動的で独特のリズムを作る札幌が、前後の2列に分かれたようなバランスでプレーを続け、縦に放り込んでプレーを終わらせてしまう。せっかくクラブが腹をくくって監督続投を決めたのだから、選手も開き直って自分たちを信じなければ、札幌のユニークさは戻ってこないだろう。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート