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【森雅史の視点】2024年5月3日 J1リーグ第11節 FC町田ゼルビアvs柏レイソル

J1リーグ第11節 町田 2(1-0)0 柏
15:03キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数12,064人
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柏は町田の素早いプレスに戸惑いを隠せなかった。それでも守備の決定的な崩壊は招かない。それを崩したのは「自分たちがどう見られているか」ということを逆手に取った心理作戦だった。9分、町田がスローインを得る。鈴木準弥がボールを握ったところで、柏はロングスローを想像しただろう。だが鈴木はペナルティエリアに走り込んだ荒木駿太にパス。荒木が折り返すとオ・セフンが蹴り込んで先制点が生まれた。

 

後半に入ると69分、柏の選手がブロックしたボールに荒木が反応してヘディングシュートを決めて2-0。だがこの2回以外お互いに決定機をつくることが出来ず、試合は終わった。少ないチャンスをしっかり沈めた町田の集中力の高さが勝利を呼んだと言っていいだろう。

 

度々接触プレーはあったが、今村義朗主審がボールを保持するチームが変わらない限り笛を我慢したおかげで、非常に流れがスムーズだった。また微妙なプレーに関しては主審が選手やベンチにしっかり説明し、また両チームの選手がとても冷静な対応を続けたため後味が爽やかなゲームになった。特に柏の選手たちの態度は評価されるべきものだろう。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート