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【森雅史の視点】2024年6月1日 J1リーグ第17節 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟

J1リーグ第17節 町田 1(1-2)3 新潟
15:03キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数10,411人
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町田と新潟の相性の悪さを再認識させられる試合だった。

 

2023年の天皇杯、3回線で横浜FMを4-1と破った町田だったが次の相手の新潟には苦戦を強いられた。自慢の攻撃力が影を潜め、最後は90分、ペナルティエリアの中でふわりと揚がったボールにマークを掴みきれず、小見洋太に決勝点を許してしまったのだ。試合前に黒田剛監督は「メンバーも違っているから気にしていない」と語っていたが、試合内容は似てしまった。ドリブルが得意な新潟に町田はプレスをかけるが、かわされて少しずつポジションをずらされる。そのせいでうまく相手をはめられない場面が出てくる。そして自らのミスと不運が失点を招いた。

 

もっとも立ち上がりは町田がペースを握ったと言えるだろう。怒濤のセットプレーラッシュで新潟を自陣に張り付かせた。だが20分過ぎに一度その波が途切れると、クリアボールが小見の前に転がってまたも小見に決められてしまう。すかさず27分、カウンターから平河悠がドリブルで運び、最後は相手の股の間を通して藤尾翔太につなぎ、同点に追いついた。ところが45分、谷口海斗のシュートがDFに当たってフリーになっていた藤原奏哉の前へ。これを藤原が難なく決めて再び新潟がリードを奪う。

 

町田にとって問題だったのはここからだった。ハーフタイムを挟んで出てきた選手たちの動きが冷静さを欠いていた。前半の不幸な失点を忘れて戦うべきときに、必要以上に前のめりになる。さらに52分、FKが首をすくめようとしたチャン・ミンギュの頭に当たってオウンゴールになると、ますます動きがバラバラに。62分、ナ・サンホのパスが平河に通って決定機を迎えたがシュートはポストに当たって跳ね返るという運のなさもあって町田は加点できない。そしてそのままタイムアップ。

 

町田のインテンシティの高さはその「熱」から来るものがあるだろう。だがこの日はその「熱」を一度冷まして、しっかりと後半に臨むべきだった。町田にとっては手痛い教訓になったが、それでもまだ首位から陥落しなかったのは不幸中の幸いだったではないだろうか。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート