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【森雅史の視点】2025年4月29日 J1リーグ第13節 FC東京vs清水エスパルス

J1リーグ第13節 FC東京 0(0-1)2 清水
13:09 キックオフ 味の素スタジアム 入場者数33,769人
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清水は試合中、ベンチの指示で3バックにしようとしたが乾貴士がピッチの中は4バックを指向しているとベンチに伝え、そのまま4バックを継続。そしてしっかりと対応して勝利をものにしている。そんな自由度の高いサッカーができるようなトレーニングを行っていることが、勝点3を生んだと言えるだろう。

 

一方、FC東京は松橋力蔵監督が就任し、ここ数年進めていたもののなかなか進まなかったボール保持して攻めるサッカーは急激にチームに浸透していた。はずだった。ところがこの日のFC東京はカウンター狙いのサッカーに戻ってしまった。

 

ここまでわずか3勝、残留争いに巻き込まれてしまっているため、効率的に勝点を目ざそうとしたのかもしれない。しかし、そのことで選手のプレーに迷いが生じてしまい、選手間の距離がバラバラで積み上げてきたよさを発揮できなかった。勝つための試行錯誤は必要だろうが、この試合では幹の部分まで揺らいでしまったように見えた。勝てなければ疑心暗鬼を生じるのは仕方がないとしても、ここは耐え時ではなかったのだろうか。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート