
【田村修一の視点】2025年8月24日 J1リーグ第27節 FC東京vs京都サンガF.C.
J1第27節 FC東京0(0-3)4 京都
19:04キックオフ 味の素スタジアム 入場者数 27,591人
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前半の早い時間帯に東京が与えた2つのPK(8分と13分)が、勝負を決めた試合だった。特にGKキムスンギのトラップミスをラファエル・エリアスが見逃さずにボールを奪い、反則チャージを誘ったふたつ目のPKは、とりわけ不用意だった。以降は互角の展開が続いたが、ブロックを下げて東京に容易にスペースを与えなかった京都が、落ち着いた守備からさらに追加点を挙げて快勝した。
京都はこれで首位に浮上。しかしJ1は、11試合を残し勝ち点差2の中に6チームがひしめき合う混戦が続いている。目の前の試合を全力で勝ちに行くのはもちろんだが、目先の結果に一喜一憂せず、自分たちのスタイルを冷静に保ち続けたチームがタイトルに到達するのだろう。
一方、敗れた東京ではあるが、攻撃の形も得点機会も作り出せていないわけではなかった。ただ、攻守にわたるトランジションのスピードをあげていかない限り、結果を得るのは難しい。終盤の戦いに向けて、選手たちが同じことを考え、迷いなくプレーができるためのチームコンセプトの再徹底は不可欠である。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。