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【森雅史の視点】2025年4月16日 J1リーグ第12節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス

J1リーグ第12節 横浜FM 2(1-0)3 清水
19:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数16,785人
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前半の清水はひどかった。ボールを奪おうとするチャレンジはか弱く、技もスピードも見せられない。本当にひどかった。

 

だが、清水の3バックの戦い方を見てもベンチに残っているメンバーを見ても、後半勝負というのはおそらく出ている選手たちも、そして横浜FMも分かっていたことだろう。そして清水はハーフタイムで3人を交代させ勝負をかけてきた。そんな中、横浜FMの2点目が決まる。

 

振り返ってみれば、この2点目が勝負の彩になった。2点目が入ってきたことで横浜FMの動きが鈍くなった。疲れもあるのだろう。前半は1.4km上回っていたチーム走行距離も後半清水に1.5km抜かれてしまう。そしてその鈍さがゴール前でのFKを招いてしまった。

 

このFKを中原輝に決められるとペースは一気に清水に傾く。71分にはオウンゴールで同点。このオウンゴールを招いたCKも、横浜FMのプレスがかかり切れずにミドルシュートを打たれ、ブロックに当たってゴールラインを割ったところからだった。そして82分、本人は頑なに否定していたが、2018年ロシアワールドカップのベスト16でベルギーを相手に決めたゴールを思い出させる乾貴士のシュートが決勝点となった。

 

横浜FMの敗因の一つは、一度落ちてしまったペースを再び上げるような選手をピッチに送り出せなかったことだろう。そして清水は勝ったものの、あまりにパスミスが多すぎる。もしも横浜FMのコンディションがよければ前半のうちにさらに得点されていたに違いない。もっとも、清水がひどかった前半の間に2点目を奪えなかったことが清水のプランどおりの試合展開になった大きな要因だった。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート