
【田村修一の視点】2025年4月12日 J1リーグ第10節 東京ヴェルディvsヴィッセル神戸
J1リーグ第10節 東京V 0(0-0)1 神戸
15:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数17,474人
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ともにシーズンのスタートに躓き、浮上のきっかけを掴みたい両チームの対戦は、どちらも強度の高いプレーで相手を押し込めようとする展開となったが、ペースを握ったのは神戸だった。
ボールへの寄せとデュエル、トランジションで東京Vを上回った神戸は、ほぼ一貫してゲームを優位に進め、後半開始早々(51分)に汰木康也がエリキの折り返しを決めて先制すると、その後は巧みなゲームコントロールで最小得点を守り切った。吉田孝行監督が試合後に語ったように、「90分間を通して、選手ひとりひとりが戦えた素晴らしいゲーム」といえた。怪我人も徐々に鮮烈に復帰しつつある。今後の巻き返しのきっかけとなる勝利だった。
一方の東京Vは、個別の戦いで後れを取り、終盤は選手交代により攻め込んだものの、最後まで神戸の堅陣を崩せなかった。コレクティブな連携が分断されて難しい戦いを強いられた。試合が続きながらの状況でのチーム構築は簡単ではないが、攻守においてさらなる連動性を高めていくことは必要だろう。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。