
【田村修一の視点】2025年3月15日 J1リーグ第6節 東京ヴェルディvs名古屋グランパス
J1リーグ第6節 東京V 2(0-1)1 名古屋
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数16,300人
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ともにスタートダッシュに失敗し、下位に低迷するチーム同士の対戦は、ホームの東京Vが逆転で名古屋を下し今季2勝目をあげた。
前半は名古屋のペース。ここまで未勝利。優勝候補の前評判も高かった名古屋が、縦に速い攻撃を繰り出しながら21分に先制点(森島)を決めた。だが、その後もチャンスを作りながら追加点を挙げられず、後半になると本来の動きを取り戻した東京Vに主導権を握られ、逆転(63分、山見。73分、綱島)を許してしまった。
選手個々の力を組み合わせるのに長けた名古屋・長谷川監督だが、ここまでは最高の組み合わせを作れずにいる。失点の多さが気になるが、この日の2失点は守備が綻びてのものではなく、組織自体は破綻してはいない。また、監督自身がまったく落ち込んでいないこと。さらには本来のチーム力を鑑みれば、代表ウィークの中断期間中に体制の立て直しは十分に可能だろう。
一方の東京Vは、前半は「らしさ」がまったく見られなかった。後半はスピードとインテンシティをあげて名古屋を圧倒したが、不安定なパフォーマンスの原因を取り除くことが今の最大の課題である。求められるのはメンタルマネジメントである。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。