
【森雅史の視点】2025年3月12日 ACLエリート ラウンド16 川崎フロンターレvs上海申花
ACLE 川崎 4(1-0)0 上海申花
19:01 キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数13,277人
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アウェイで0-1と敗れた川崎はまずは勝たなければならない試合だった。また、たとえ延長戦に入ってもホームの声援を背に攻め続けるしかなかった。そのことが幸いしたと言えるだろう。
24分、佐々木旭のミドルシュートで先制すると、64分、クロスに抜け出したエリソンがダイレクトで決める。68分にはゴール左からの折り返しに伊藤達哉が試合を決定付けるシュートを放ち、90+1分、もたもたしたもののマルシーニョが無事に蹴り込んで4点差をつけた。
終わってみれば大差がついた上海申花戦だったが、両者にそこまでの開きがあったとは思えない。10番のジョアン・カルロス・テイシェイラは常に脅威だったし、ワントップのサウロ・ミネイロは一発を秘めていた。しかし、攻撃に神経を集中できた川崎に対して、上海申花は特に前半守備を偏重しすぎた。そのためリズムを川崎に完全に奪われた。川崎をそれだけリスペクトしたとも言えるだろうが、もっと別の、たとえばさらにカウンターに特化したようにプレーしたり、逆にリスクを冒して攻めていれば、別の結果もあり得ただろう。
もっとも、それでも両者には差があった。準々決勝からはもっと別の戦いになるはずだ。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート