
【森雅史の視点】2025年3月2日 J1リーグ第4節 東京ヴェルディvsガンバ大阪
J1リーグ第4節 東京V 0(0-0)1 G大阪
14:03 キックオフ 味の素スタジアム 入場者数21,260人
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東京Vにとっては誤算に次ぐ誤算のゲームとなってしまった。まず16分、すばらしいタックルでピンチを防いだ千田海人が負傷交代。41分には山田剛綺も失う。さらに後半投入した福田湧矢までも84分に脳しんとうの疑いで交代となってしまった。そんな満身創痍の中でも東京Vは前半ペースを握って攻め込んだが、得点を奪うまでには至らない。すると後半、G大阪は移籍したばかりの満田誠を投入してギアを上げた。そして素晴らしいパスワークから85分、イッサム・ジェバリがヘディングシュートを決めてこれが決勝点となった。
東京Vにとっては悲劇的な、そしてG大阪にとっては主力選手たちが欠場する中で希望が見えた戦いだったが、それ以外にも書いておかなければならないことがある。
それは両チームのプレーがとても美しかったことだ。ボールには激しくチャージに行く。だがうまく体を使ってその局面を切り抜ける技術を選手たちはみんな見せてくれた。倒れず続けられることを見せた選手たちのプレーはリーグにとって手本となるものだった。勝敗はついたが、観客の人たちに今後ともサッカーを観たいと思わせたのではないだろうか。この点において両チームを称賛しておきたい。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート