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【六川亨の視点】2025年3月2日 J1リーグ第4節 浦和レッズvs柏レイソル

J1リーグ第4節 浦和0(0-2)2柏
15:03キックオフ 埼玉スタジアム2◯◯2 入場者51,009人
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大型補強を敢行しつつ、開幕から選手をトライしながらチームのベースとなる戦術やシステムを模索している浦和のマチェイ・スコルジャ監督。対する柏はリカルド・ロドリゲス新監督のもと、PSMからほぼメンバーを固定し、戦い方も統一されている感がある。対浦和戦でも、新加入の小泉佳穂は右サイドの高い位置に、原川力は左サイドの低い位置に固定してゲームメイクを担当させた。狙いは両WBをワイドに開かせてのサイド攻撃だ。それは前半14分に早くも的中し、小泉の大きなサイドチェンジから小屋松知哉がカットインして技巧的なコントロールシュートを決める。さらに31分には原川が小泉へ素早く展開し、小泉の攻め上がりからのアーリークロスを187センチの長身FW垣田裕暉がヘッドで追加点。浦和の前線からのプレスをかいくぐった、鮮やかなカウンターだった。

 

後半は積極的な選手交代で反撃を試みる浦和だったが、チアゴ・サンタナのシュートは左ポストを痛打するなどゴールが遠い。試合はこのまま2-0で終了し、昨シーズンは残留争いに巻き込まれた柏が湘南、広島と同勝点ながら得失点差で首位に躍進。4試合を終えて未勝利の浦和は19位へと後退したが、負傷離脱中の大久保智明や渡辺凌磨の復帰も近いだけに、そう悲観する必要なないだろう。唯一の不安材料は右SBのレギュラー候補が見当たらないことか。開幕から関根貴大が務めているが、できれば彼はもっと前で使ってこそ相手にとって脅威となるだろう。

 

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。