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【田村修一の視点】2025年2月22日 J1リーグ第2節 柏レイソルvs川崎フロンターレ

J1リーグ第2節 柏1(0-0)1 川崎
14:03キックオフ 三協フロンテア柏スタジアム 入場者数13,695人
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ともに新監督のもと、順調にチームつくりを進める両チームの戦いは痛み分けに終わった。柏の躍動感と川崎の冷静沈着さ。内容についていえば、柏がホームで勝ち点2を取りそこなったのに対し、川崎はアウェーで勝ち点1を得た。そんな戦いだった。

 

ハイプレスとチーム全体が連動するスピーディな攻撃をコンセプトにリカルド・ロドリゲス監督がチームを構築する柏は、前半は風上のピッチを選んだこともありスタートからアグレッシブなプレーで川崎ゴールに迫った。ただ、28分からの3連続チャンスを決めきることができず、無得点でハーフタイムを迎えた。後半はポゼッションの優位を生かす戦いにシフトチェンジし、小泉佳穂と久保藤次郎の見事なコンビネーションから小泉がゴールを決め(57分)、ジエゴのパスミスから許した川崎の先制点(50分)を挽回した。ただ、細かいミスが見られることと、ゴールへの侵入に課題が残るなど、今後に向けての改善点も明らかになった。

 

一方の川崎も、守備を基盤にチームを構築する長谷部茂利監督のコンセプトは少しずつ浸透しつつある。前半はダイアゴナルな動きで崩しにかかる柏の攻勢を、安定したブロックとGK山口瑠伊の攻守で守り切り、後半は相手のミスを突いて脇坂泰斗が先制点を挙げた。守備の安定をベースに、持ち前の攻撃力を加味していくのが今季の基本的な戦い方になるのだろうが、選手を入れ替え活性化した柏のサイド攻撃への対応など、まだまだ課題も残った。

 

両チームとも今後の戦いに注目したい。

 

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。