【六川亨の視点】2024年6月1日 J1リーグ第17節 鹿島アントラーズvs横浜F・マリノス
J1リーグ第17節 鹿島3(0-1)2横浜FM
15:03キックオフ 国立競技場 入場者52,860人
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「オリジナル10」で、なおかつ降格経験のない両チーム。鹿島は最多のリーグ優勝8回、横浜FMは3位となる5回を達成しているため「ナショナル・ダービー」と呼んでもおかしくないカードだ。試合は横浜FMが井上健太のシュートのこぼれ球をアンデルソン・ロペスが押し込んで先制すれば、鹿島も後半に入りポジションをトップ下に変えて自由を手にした鈴木優磨が同点弾を決めるなど、“取るべき選手”のゴールで一歩も譲らない。しかし先週はUAEへ遠征し、29日にも未消化の柏戦を戦った横浜FMが後半に失速。29分に大卒ルーキー濃野公人の今シーズン5点目(永戸勝也に当たってコースが変わった)で逆転すると、39分にはFKから関川郁万がヘッドで追加点を奪う。後半アディショナルタイム45+4分に植中朝日に1点を返されたものの3-2で逃げ切って、対横浜FM戦の連敗を4でストップした。
熱戦と言える“伝統の一戦”だったが、試合後のハリー・キューウェル監督は「相手にハンドがあった。ジャッジで不公平な部分もあった。試合後、スローインに対して間近でジャンプしたプレーについて(主審に)質問したら、(異議で)イエローカードを出された」と怒りを滲ませた。するとランコ・ポポヴィッチ監督も「ビッグチャンスは前半からあったがシュートの精度を欠いた。ピッチ外のことや判定でイライラして集中力を欠いた。ベンチから挑発的な行為もあった。ハーフタイムに、ピッチ外のことでナーバスにならずにプレーするよう言った」と反論。主審の判定とお互いのプレーを非難しあう後味の悪い記者会見となった。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。