【森雅史の視点】2023年8月2日 天皇杯ラウンド16 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟
天皇杯ラウンド16 町田 0(0-0)1 新潟
18:33キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数3,436人
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延長も見え始めた90分、町田が自陣ゴール前に入ってきたボールをクリアしようとするがもたついた。そこを新潟は見逃さない。町田の人数は揃っていたが、すっと現れた小見洋太が至近距離から蹴り込んで決勝点を奪った。町田のシュートは13本なのに対して新潟は5本だったが、少ないチャンスを見逃さなかったJ1チームが勝利を収めた。
試合内容としては互角だったと言えるだろう。立ち上がりは町田のペースだったが途中からは新潟がボールを握り直す。町田は平河悠らを投入し再び主導権を握り直すものの、新潟の守備を崩すまでには至らなかった。それだけに、新潟の集中力は町田にJ1の戦いの厳しさを教えてくれたはずだ。
試合の結果だけからは町田の決定力不足に見える。だがその実、守備ラインに負傷者やコンディションが整わない選手が続いており、そのことが最近の試合結果に影響を及ぼしている。町田が快進撃を続けたのは強固な守備がベースにあったから。今のうちに手を打たなければ取り返しが付かなくなる。クラブとしての力が試されていると言えるだろう。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート