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【森雅史の視点】2022年5月3日 J1リーグ第11節 湘南ベルマーレvs清水エスパルス

J1リーグ 第11節 湘南ベルマーレ 1(0-3)4 清水エスパルス
15:03キックオフ レモンガススタジアム平塚 入場者数12,052人
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前半15分までを見れば、湘南の価値は揺るぎないと思えたことだろう。立ち上がりから清水を圧倒して度々攻め込み、逆に清水は攻撃の糸口すら見つけることが出来なかった。平岡宏章監督も「相手が予想をしていたシステムと違って戸惑いがあった」と認める。

だが15分、1つのプレーが試合の流れを変える。スルーパスに抜け出した白崎凌兵がこの試合で初めて湘南GKの富居大樹を脅かしたのだ。それでもその後も湘南は攻め続けるが次第に清水の出足が目立ち始める。反対に湘南はカバーが次々に遅れ始めた。そして32分、中山克広が長い距離を走ると湘南はマークを離してしまう。そこにパスが出たことで、ついに清水が流れをしっかりと自分たちのモノとした。

清水はそのまま36分にはCKから、38分には右サイドを破ってゴールを挙げ、前半でセーフティリードを奪った。後半には湘南が1点を加えたが、またも清水が加点して点差を3点に戻して試合終了。下位に低迷する両チームだが、清水には浮上へのいいきっかけのゲームとなり、湘南は精神的に追い詰められるような終わりかたになった。

湘南にとって問題なのはCKから2点を取られてしまったことだろう。平岡監督が篠田善之コーチと分析していたと明かす湘南の弱点はすぐに修正しなければ、今後も狙われ続ける。試合がたて込んでいる中で山口智監督にはなかなか修正しにくい、難しい課題が浮上してしまった。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート