【田村修一の視点】2023年5月31日 J1リーグ第11節 浦和レッズvsサンフレッチェ広島
J1リーグ第11節 浦和レッドダイヤモンズ2(0-0)1サンフレッチェ広島
19:34キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者20,266人
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Jリーグの現在のレベルを示す好ゲームだった。
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)で3度目の優勝を果たし、守備偏重のACL仕様から、本来求めるべきより攻撃的でアグレッシブなスタイルへと舵を切った浦和と、スキッベ監督のもと、攻守の切り替え鋭く強度の高いサッカーを追求し続ける広島。拮抗した展開ながら、試合の主導権は後半なかば過ぎまで広島が握った。先制点も広島。川村のドリブルが浦和DFを切り裂き、森島の得点へと結びついた。
だが、浦和には、ACLの経験があった。選手交代がチームを活性化させる。とりわけ興梠慎三の影響は大きく、彼が入ったことで浦和の攻撃は一気に重層的になった。選択肢を広げる興梠のプレーが、力関係の針を浦和に大きく傾けたのだった。
ACL優勝の直接的な成果。浦和の優勝戦線への復帰は、今後のJリーグの戦いをより興奮深く興味深いものへとしていく。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。