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【森雅史の視点】2024年4月13日 J1リーグ第8節 FC町田ゼルビアvsヴィッセル神戸

J1リーグ第8節 町田 0 (0-1) 2 神戸
15:03キックオフ 国立競技場 入場者数39,080人
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町田にとってこの試合は「いい」「レッスン」になった。ただし、「J1」のレッスンではなく「ヨーロッパ基準」のレッスンだった。

 

町田は試合開始早々にチャンスを作られたものの、その後は押し込む展開に持ち込んだ。だがそれは神戸が慎重にゲームを進めていただけだった。相手を見極めたように20分過ぎから神戸がカウンターで町田ゴールを脅かすようになる。そして45分、波状攻撃から山内翔が町田ゴールに突き刺した。

 

後半に入ると試合は膠着するが、これも神戸が試合のテンポをコントロールしたから。タイムアップが迫って焦る町田に対し、90分、CKのこぼれ球を武藤嘉紀が決めて追加点を奪う。その後の町田のパワープレーは凄まじいの一言に尽きるだろう。そして90+6分、クロスをうまく収めたドレシェビッチが冷静に相手をかわして1点を返す。だが、最後は神戸がしっかり守り切って勝利をあげた。

 

町田が戸惑っていたのは、神戸のフィジカルコンタクトの上手さとその判断の速さだった。ボールが来そうな気配がかすかにした時点で相手に体を当ててスペースを作る。体勢を崩された町田の選手が当たりに行ったところでファウルになる。しかもヨーロッパでのプレー経験のある選手たちはボールへのチャレンジの強度が高い。町田の選手がファウルではないかと思ってもギリギリセーフとなり、余計に後手に回ってしまう。

 

町田の選手たちは「J1」だったらどう体を使えばいいか十分に分かっていた。だがそれよりもさらに上のレベルというのを神戸が教えてくれたと言える。そして「いい」レッスンだったと言えるのは、1点差で終えることが出来たから。負けるのだったら1点差が一番いいのだ。そして1点を取ることができたことで、まるで通じなかったという思いはせずに済んだことだろう。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート