【森雅史の視点】2024年3月13日 AFCチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦 横浜F・マリノスvs山東泰山
ACL準々決勝 第2戦 横浜FM 1(0-0)0 山東
19:00キックオフ 横浜国際総合競技場 入場者数12,887人
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災い転じて福となす。そう思える試合展開になった。
44分、永戸勝也が2枚目の警告を受けて退場となった。前半半ばまでの横浜FMのペースを凌いだ山東はリズムをつかみ始めており、一層これで山東が試合を支配するのではないかと思われた。
だが、状態が悪い芝に苦しんでいた横浜FMはこれで割り切ったサッカーをするようになった。パスをつないでいた時間は不規則に弾むボールが相手に渡って逆襲のきっかけを作られていたが、そのリスクが減った。逆に山東は前掛かりになって横浜FMの敷いたラインに引っかかるようになり、崩す形は減った。そして試合は0-0のまま進んでいく。
第1戦の結果を受けて第2戦は2点以上のゴールが必要な山東は次第に焦りを募らせていく。75分、山東はFKを、離れるのが遅かった横浜FMの選手に向かって蹴り、跳ね返りがそのままま横浜FMのボールになった。苛立ちを表に出した隙を横浜FMは見逃さない。そこからの展開で右サイドの宮市亮を走らせ、マイナスのボールを山根陸が一人かわしてクロス。それまでしっかりとマークされていたアンデルソン・ロペスはフリーで決勝点を叩き込んだ。
いろいろな状況に応じて戦い方を変えられる横浜FMは、確かに勝者にふさわしかった。いよいよ次は東地区のチャンピオンを決める準決勝。さらなる躍進が期待される。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート