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【森雅史の視点】2023年12月13日 ACLグループステージMD6 横浜F・マリノスvs山東泰山

2023年12月13日 ACLMD6 横浜FM 3 (1-0) 0 山東泰山
17:00キックオフ 横浜国際総合競技場 10,953人
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山東泰山は黒崎久志氏が2021年から2シーズンコーチを務めたクラブで、中国人のハオ・ウェイ監督が日本の緻密さを取り入れようとしていた。ところが黒崎氏がチームを離れた2023年、ハオ監督が収賄の疑いで公安当局に拘束され、代わって韓国人のチェ・ガンヒ監督が指揮を執るようになり、サッカーがカウンター中心に変わってきた。この横浜FMとの試合も3バックを採用し、守備に重点を置いてカウンターを仕掛け、引き分けを狙っているのが明らかだった。

横浜国際総合競技場の悪い芝の状態を考えると、その策は的中するかに見えた。前半45分間を山東は自分たちもチャンスを作れなくとも、横浜FMの攻撃を無効化していたのだ。だが前半アディショナルタイム、2人に挟まれながらもエウベルが縦パスに抜け出して貴重な先制点を挙げた。

この1点で勝負あり。後半は前に出ざるを得なくなった山東に生じるスペースを横浜FMが突く。57分、右サイドを綺麗に崩して折り返しからアンデルソン・ロペスが決めると64分、浅くなったラインを突いたヤン・マテウスが芸術的なループシュートで3点目。あとは悠々と逃げ切ってグループ首位での突破を決めると、ケヴィン・マスカット監督のラストゲームを飾った。横浜FMの試合巧者ぶりが光った戦いだった。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート