【田村修一の視点】2024年1月24日アジアカップ 日本代表vsインドネシア代表
アジアカップグループステージ 日本代表3(1-0)1インドネシア代表
20:31キックオフ アルトゥマーマスタジアム 入場者26,453人
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日本がインドネシアを3対1と下し、イラクに次ぐグループリーグ2位でセカンドラウンドに進出した。
たしかに日本は、森保監督や選手たちが指摘した通り、イラク戦で露呈した弱点を修正して試合に臨み、危なげない勝利を得た。スタートから攻守に強度を発揮し、前線からの連携したプレスで相手に攻撃の余地を与えず、試合をほぼ全面的にコントロールした。
危なげのない勝利ではあったが、昨年に連勝していたころのプレー強度とスピードが戻ったかといえばまだほど遠い。相手が守備ブロックを固めたとはいえ、ワンタッチで繋ぐ展開がほとんど見られず、久保が顕著であったように、それぞれがボールをキープして状況を打開しようとしては相手に囲い込まれた。上田が3得点のすべてに絡んだものの、前線の起点としては不十分で、ストライカーとGKの問題も解決されていない。
大会全体を見渡したとき、チームのレベルとパフォーマンスでイランが頭ひとつ抜けている。日本、韓国、サウジアラビアがそれに続くが、どこもチームとしての完成度はまだ低い。それにイラクやヨルダン、カタール、ウズベキスタン、オーストラリアといったところが僅差で続いている。
2位通過によりラウンド16まで6日の間隔があき、日本は態勢を立て直す時間ができた。その時間をアドバンテージと受け止めて、どういう準備を整えていくのか。だが、いくら入念に準備し、優れた戦術と戦略を用意しても、ピッチ上での個々の戦いに敗れていては何の用もなさない。その点も踏まえて、ノックアウトステージでは悔いの残らない戦いをして欲しい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。