【田村修一の視点】2021年11月20日 J1リーグ第36節 浦和レッズvs横浜F・マリノス
J1リーグ第36節 浦和レッズ2(1-0)1横浜F・マリノス
14:04キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者21,257人
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浦和がひとつの手ごたえを掴んだ勝利だった。マリノスの攻撃パターンを徹底的に分析し、スペースを与えずに得意とするダイアゴナルな動きやポジションチェンジにもすべて対応し、フリーでボールを受ける選手を作らせなかった。先制点まではそれでもマリノスが押し込んだが、1点を奪って自信を得た浦和はその後マリノスの長所を封じ込めることに成功した。リカルド・ロドリゲス監督の戦略的な勝利であり、格上の相手に対する見事な戦い方だった。一方、対浦和ということで特別な準備をしなかったマリノスにとっては、課題が突きつけられた敗戦だった。アンジェ・ポステゴグルー監督のときから一貫してマリノスは、対戦相手に関わらず自らのサッカーを追求し続けてきた。自分たちの長所を消されても、同じやり方をさらに推し進めることで相手をねじ伏せてきた。ケヴィン・マスカット監督もその点では同じだろう。具体的にどう解決していくのか。手腕が注目される。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。