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【田村修一の視点】2021年9月22日 J1リーグ第32節 FC東京vs名古屋グランパス

J1リーグ第32節 FC東京 1(1ー1)1 名古屋グランパス
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数4,982人
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力のこもった好ゲームだった。ACLからの連戦が続く名古屋は、疲労もあってか前線からアグレッシブにプレスをかけるFC東京の圧力に前半は苦しんだ。だが後半は選手とシステムを変えて中盤に三角形を作り、前線の3人の距離を縮めることで適正な距離感を作り出し、バランスを回復したことで試合はより拮抗した。とはいえ試合を通じてホールの支配でも決定機の数でも圧倒的にFC東京。《らしさ》と力を出し切った点では悪くなかったが、勝ち切れなかったところには悔いが残る。逆に名古屋は、攻守においてコントロールが難しいゲームを、よく乗り切ったといえる。効率的な点の取り方といい、イタリアのリアリズムを感じた試合でもあった。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。